2008年11月13日
唐山市が「科学発展モデル都市」構築へ
北京、天津と渤海湾に黄金デルタ経済地区
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

河北省唐山市が中国の新しい「科学発展モデル都市」を目指して積極的な動きを見せている。すでに第一段階のインフラ整備を終え、発展計画も固めて企業誘致に乗り出した。とくに日系企業の投資を呼び掛けている。

東京でこのほど、同市と渤海湾に面した曹妃でん(句の口が田)新区の投資環境説明会を開いた。市政府によると「唐山市は、華南の珠江デルタ、華東の長江デルタとともに発展している渤海湾地区で、北京、天津と黄金デルタ地域(人口4,000万人)を形成しつつあり、質の高い産業構築と国際都市の建設を目指している。豊富な資源を生かし国内市場の開拓にも力を入れている」としている。

 市は面積1万3,472平方キロ、人口725万人(うち都市人口304万人)、全中国の都市の中で経済規模が20番目(07年)、大連のGDP(3,000億元)と並ぶ。労働者の離職率が1%ていどと低く、最低賃金月680元、熟錬作業員1,000元、事務員1,300元、技術者1,500元、管理職2,500元と中国平均を下回っている。

 北京の5環路まで140キロ、北京空港まで156キロ、天津空港まで80キロ、市街地から渤海湾まで70キロ。高速道路が北京、天津、秦皇島に走る。時速350キロの高速列車を生産、昨年、北京—天津間で運行を開始した。北京—唐山、天津—唐山間の高速列車も予定されており、それぞれ30分でつながる。

 市には発達したハイテク産業園区(計画面積29平方キロ、開発済み5平方キロ、市内から6キロ、アイシン精機、パナソニック溶接システム、日本ガイシ、神戸製鋼所、関東精蜜、小池酸素、江東電気など日系25社が進出)がある。

 また、08年に完成した現代装備製造開発区(面積20平方キロ、住友重機械工業グループが09年初めから操業)、化学工業の南堡経済技術開発区(市内から45キロ、渤海湾に面している)、そして曹妃でん新区がある。

 南堡経済技術開発区では昨年、沖合に推定埋蔵10億トンの油田が発見された。中国第2の油田である勝利油田に匹敵するとされる。

 曹妃でん新区は唐山市南部沿海地域にあり、面積1,943平方キロ、海岸線80キロ。当面、80平方キロ(計画面積150平方キロ)に、世界1流の資源循環型エコ都市、港湾都市、模範都市、国際都市の建設を国家プロジェクトとして目指す。

 これまでに年産2,000万トンの製鉄所、25万トンの鉄鉱石埠頭、30万トン石油タンカー埠頭、石炭積み出し埠頭、発電容量460万KWの火力唐山市には発電所などの大型設備を完成した。石油精製1,000万トン、エチレン年100万トンの石油化学センターも計画中である。
市には河北理工大学など高等教育機構が9つ(在校生4万人)あり、専門校も100校(在校10万人)に及ぶ。
問い合わせは唐山市日本事務所(TEL:06-6344-3255)