| 2008年11月19日 | |
| 住友化学の米倉社長が当面の経営課題等で会見 | |
| ラービグのコンビナートは来年3月から営業運転 | |
| 【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品、新製品/新技術、人事/決算) 【関連企業・団体】:住友化学 |
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住友化学の米倉弘昌社長は19日に同社が開催した記者懇談会に出席して同社の経営概況と今後の経営環境ならびに当面の経営課題等について明らかにした。 同社の経営概況と当面の見通しについては「原燃料価格の高騰と製品価格是正のタイムラグの発生によって今年度上期は大幅な減益となった。下期も、米国の金融不安によってもたらされた世界全体の景気後退の影響で引き続き苦戦を強いられそうだ。石油化学製品や一部の情報電子材料は特に厳しい覚悟が必要」と述べ、世界全体を覆ってきた景気後退の影響を同社も色濃く受ける心配があるとの見解を明らかにした。 当面の課題では「金融不安は比較的短期間に解消できても実態経済の回復には時間がかかる。したがって当社も事業環境の細かな変化に一喜一憂することなく、厳しい環境が続いてもなお発展を続けていけるようにコストと合理化の徹底に取り組んでいかなねばならない」と強調した。 また、中期経営計画の重要な柱の一つであるサウジアラビアの石油・石油化学プロジェクトの進捗状況については「各種の設備の建設工事はほぼ予定のスケジュール通りに進んでおり、来年3月末には全てのプラントの営業運転を開始できる見通しだ」と語った。「石油化学業界を取り巻く環境は当初の予想以上に厳しくなっているが、優れた国際競争力を生かしてアジア地域を中心にスタート当初から高率操業していけると判断している」と、円滑なスタートに自信をのぞかせた。 一方、国内で今後大きく伸ばしていく事業として、エネルギールギー関連、情報電子材料、ライフサイエンスの3つの部門を挙げ、「これらの部門の育成には集中的にエネルギーを投入していきたい」と次世代型成長ビジネスの早期実現に旺盛な意欲を示した。リチウムイオン電池のセパレータと正極材、燃料電池膜、高分子型の有機ELなどの事業の早期拡充が課題としている。 |