2008年11月20日
ポリオレフィンも10月の出荷が全て前年割れ
汎用5樹脂揃っての前年割れは3ヵ月連続に
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン3樹脂それぞれの10月の総出荷数量は軒並み前年同月を下回った。国内向けと輸出の両方が3樹脂全て前年同月割れとなっている。3樹脂揃っての国内向けの前年割れは2ヵ月振りで今年5度目。輸出の前年割れは4ヵ月連続で今年6度目。そして総出荷量の前年同月割れは3ヵ月連続で今年8度目となった。
 
 これに伴い、PSとPVCを合わせた汎用5樹脂の全ての総出荷量が3ヵ月連続の前年同月割れとなった。この中では、10月の縮小率が5樹脂ともこれまで以上に大きい点が特に注目される。これには、国の内外の実需の不振が長期化しているのに加えて、原油とナフサの価格の先安観の広がりによって需要家各社の買い控えが一段と加速されたことが大きく作用していると見られる。
 
 うちポリオレフィン3樹脂の10月の国内向け出荷では、各樹脂の最大消費品種が軒並み前年を大きく下回っている点が目を引く。LDPEのフィルム用は9.4%、HDPEの同じくフィルム用は15.1%、PPの射出成形用は14.9%それぞれ前年を下回っている。LDPEとHDPEのフィルム用の縮小は安価な海外品の流入量の増加によるものと言える。一方のPPの射出成形用の大幅な減少には、雑貨ならびにパレット・コンテナー向けのブロックコポリマーの輸入の大幅増と、自動車部品用PPの需要の縮小が大きく影響していると見てよさそう。LDPEとHDPEの国内向け出荷は、10月単月では過去10年で最も少ない規模となった。
 
 一方の輸出も3樹脂ともにこれまで以上に縮小しているが、これは、最大の輸出先である中国からの引き合いが一段と落ち込んだのと、オファー価格が日本側各社の希望価格をさらに大きく下回ってきたためと見られる。
 
 ポリオレフィン各社によると、11月の出荷は国内向けも輸出もさらに減少する見通しという