2008年11月25日
広州市が南沙開放区にIT、石油化学など誘致、東京で誘致説明会
【カテゴリー】:海外
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広東省の省都、広州市が新設した「南沙開発区」を中心に日系企業の誘致に積極的に取り組んでいる。陳明徳・広州市副市長を団長とする訪日代表団がこのほど東京で「広州—日本産業投資交流会」を開いた。

孫雷・広州市対外貿易経済合作局副局長が投資環境を説明した後、国際投資促進センターから国家クラスの広州経済技術開発区、南沙経済技術開発区、さらに海珠区、増城市、従化市、越秀区などの投資環境を紹介した。

広州市は07年のGDPが7,051億元(常居人口1,000万人、在籍人口773万人、面積7,434平方キロ)で、過去30年の成長率は年13%。経済規模は中国第3位を占めている。今年の一人当たりGDPは9,000ドルを超える見込み。

 製造業の重要な生産基地であり、自動車、電子情報製品、石油化学工業の3大産業を中心に、鉄鋼、造船、機械装備が発展、さらに金融、サービス、物流、観光、IT・ソフトウエアなどの業種も成長。自動車では日産、ホンダ、トヨタ、韓国現代などが進出した。

 07年の自動車生産は80万台(全国の6分の1)、2010年には150万台に達すると見込んでいる。年に2回開く広州交易会をはじめ展示会が盛んで、07年には合わせて700万人を動員した。

 広州市には経済技術開発区、ハイテク園区、輸出加工区、保税区など6カ所の生産基地がある。約2,500社が事業を展開し、日本からはソニー、パナソニック、ホンダ、日産、トヨタ、神戸製鋼所、デンソー、三菱重工業、アイシン、日立などが活躍している。

 中国の改革開放(1978年)、日中友好条約締結30年を経て日中の経済貿易関係が進展した。また、広州では年3,000万人を運ぶ国際白雲空港(貨物90万トン)が04年に完成したほか、世界のベスト5に入る広州港(貨物取扱量年4億5,600万トン)、鉄道、地下鉄などのインフラが完成した。39の大学、200余の職業技術校がある。

 孫雷副局長は日本との経済交流について「07年は貿易額が前年比19.7%増の91億ドル(全体の12%)と大きく伸び、投資はこれまでに世界大手500社に入る164社が442件、28億ドルを投入した。外資の投資額の3分の1だ。08年は1-9月で貿易額が80億ドル、投資が3億ドル(対前年比倍増)」と順調に拡大していることを強調した。

 南沙経済技術開発区(陸地面積338平方キロ)は、93年国務院から設立を認可された。また、95年に科学技術部がハイテク産業園区を認可。続いてITパーク、輸出加工区が08年に保税港区として認可された。

 すでに自動車(トヨタグループ、年産48万台)、機械装備、電子情報、造船、鉄鋼、物流などの産業が活動を始めている。高速道路、地下鉄なども完成し、広州—南沙は地下鉄で40分の距離。三民島石油化学園区は中国石化とクウェートが1,500万トンの石油精製とエチレン年100万トンセンターを建設する。来年、着工の予定。