2008年11月26日
中国の汎用樹脂輸入、10月も全体に低調
前年同月超えはL-LとPP-Cだけ
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

中国による汎用樹脂の輸入は10月も全体に引き続き低調であった。合計8品目のうち、前年同月の実績を上回ったのはL-LDPEとPPコポリマーの2品目だけであった。今年1月から10月までの累計で前年同期を上回っているのはHDPEだけである。
 韓国、台湾、サウジアラビア、マレーシアなど中国の需要の拡大を期待して生産量を増やしてきた国々はあてが外れたことによって今後は余剰玉の処理に頭を痛めることになりそう。

 10月の輸入が前年同月の実績を上回った2品目のうちのL-LDPEの増加は、これまで先安観に基づいて買い控えを続けてきた農業用ポリエチレンフィルムメーカーが需要季入りを控えて在庫の補充に動き始めたためと見られている。一方のPPコポリマーの前年超えは、工業部品メーカーの多くが過小規模となった在庫の補填に乗り出してきたせいではないかと想定されている。

 しかし、他の樹脂の需要家の多くはまだ豊富な在庫を抱えているので、原油ならびにナフサの国際スポット相場が落ち着くまでは調達量を引き続き最小限度に抑えていく方針を崩しておらず、それが10月も輸入通関量の縮小となって現れてきたといえる。

 汎用各樹脂の10月の輸入通関数量は以下の通り。かっこ内は前年比。右は1〜10月の累計。

▽LDPE=48,975トン(92.4%)  597,156トン(92.7%)
▽L-LDPE=105,864トン(104.0%)  1,229,210トン(86.9%)
▽HDPE=145,692トン(98.0%)  1,911,647トン(110.3%)
▽PP-H=220,777トン(97.6%)  2,311,379トン(90.5%)
▽PP-C=26,287トン(105.4%)  289,963トン(83.0%)
▽PS=77,822トン(80.0%)  909,376トン(90.7%)
▽PVC=42,351トン(55.8%)  681,278トン(80.4%)
▽ABS=147,566トン(81.2%)  1,712,107トン(95.0%)