2008年12月03日
新日石がキュメンプラントの稼動を開始
製品は全て欧州のPHメーカーに出荷の予定
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品、新製品/新技術)
【関連企業・団体】:新日本石油

 新日本石油は、1日から室蘭製油所でキュメンの製造プラントの本格操業を開始した。設備能力は年産17万トン。11月中旬にオンスペック操業に入って以降の運転で長期にわたって安定稼動していける確認が得られたため営業運転入りしたもの。これによって同社のプロピレンの有効活用度はさらに向上することになる見通し。

 同社の新規参入で日本国内におけるキュメンの製造企業は、既存の東ソー、三井化学、三菱化学を合わせて4社となった。うち三井化学と三菱化学は誘導品のPH(フェノール)との一貫生産体制を取っている。したがって、キュメン外販企業としては同社が国内では2社目となる。
 
 ただし同社の場合は、生産する製品の全てを欧州の大手PHメーカー向けに出荷していく計画。ドイツ・イネオス、スペイン・エルティサ等に安定的に振り向けていける見通しがついているという。したがって、日本国内をはじめとしたアジア市場の需給バランスに及ぼす影響はほとんどないと見られている。