2008年12月04日
新日石・新日鉱HDが経営統合「グローバルな競争を勝ち抜く」
両社社長が会見、売上高13兆円 国内精製シェア30%超に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:新日本石油

 新日本石油の西尾進路社長と新日鉱ホールディングの高萩光紀社長は4日、両社が同日締結した両社の経営統合に関する基本覚書の概要と統合目的ならびに統合実現のための今後のスケジュールや実現を目指す企業像等を明らかにした。

 両社は、環境の悪化もあって一層激化する国際生存競争を勝ち抜いていくには、経営統合によってコストの削減を図り、エネルギーと素材を安定的かつ効率よく市場に提供していける強靭な体質を持つ企業グループを形成していくことが急務と判断して統合の早期実現を目指すことにしたもの。統合によるシナジー効果として3年以内に少なくとも年600億円の合理化効果を上げるようにしていく考え。そしてできるだけ早い時期に1,000億円の効果を上げるようにするとしている。また、コスト競争力に欠ける石油精製拠点はできるだけ早いタイミングで閉鎖していく考えで、差し当たり2年以内に40万バレル能力分を縮小する計画。
 
 09年3月に統合の本契約を締結、6月に両社の定時株主総会で承認を得たうえで10月に統合持ち株会社を設立し、そして2010年4月に中核事業会社を設立することにしている。統合計画の詳細については、近く設置する統合準備委員会で協議していく。

 両社長の発言内容の概要は以下の通り。
○西尾社長=統合の基本的な目的は、厳しい環境の中でもエネルギーと素材を安定的かつ効率よく市場に提供し続けていくため十分なコスト競争力を持つ体制を両社の力の結集で構築していくことにある。ついては、聖域なき合理化・効率化の推進に全力を投入してグローバルな生存競争を勝ち抜いていける強靭な体質を整え、石油精製・石油開発と金属事業の両部門を併せ持つ世界有数の「総合エネルギー・資源・素材企業グループ」として発展していくようにしたい。
○高萩社長=当社は石油と金属を中核として発展を目指してきた。しかし国際環境が一段と厳しくなってきた中で熾烈な生存競争を生き抜いていくには新日本石油さんと一体となってコストの大幅な削減に取り組むことが不可欠と判断して統合に踏み切ることにした。優れた事業規模と収益力を武器に国際的に高いプレゼンスを発揮できるように持っていきたい。得意とする金属事業や環境関連事業も統合によってさらに大きく発展させることができると期待している。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1228361289.tif