2008年12月05日
国産POフィルムの出荷、10月も前年の5.2%減
前同月割れが25ヶ月連続に延びる
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:日本ポリオレフィンフィルム工業組合

 日本ポリオレフィンフィルム工業組合の集計によると、同組合加盟のポリオレフィンフィルムメーカーによるインフレーションフィルムの10月の総出荷数量は55,192トンとなった。
 前年同月の実績を5.2%下回っている。これで同フィルムの月間出荷量は06年10月以降25ヶ月連続の前年同月割れとなった。
 今年1月から10月までの累計は549,681トンで、前年同期を6.3%下回っている。今年の年間総出荷量が前年を下回るのはほぼ確実となった。2年連続のマイナス成長となる。
 
 ポリオレフィンインフレーションフィルムの出荷が長期不振に陥っている要因の一つは同組合加盟企業の数が引き続き減少している点にある。現時点における加盟企業数は163社で、1年前より4社、2年前より14社それぞれ減っている。特にポリエチレンフィルム大手が脱会して海外品の輸入販売にウエートを移していることが大きく影響している。ピーク時の1975年に対比すると51%もの減少となる。
 もう一つの要因は、海外からの安価なPE袋の流入量の増加にある。この10月の輸入通関数量は42,662トンで、国産のPEフィルムの総出荷量の53,862トンにさらに接近してきた。10月の輸入量はめずらしく前年同月を下回った(2.9%減)が、1月からの累計は397,061トンで前年同期を2.5%上回っている。
 
 これら二つの要因から推して、同フィルムの国産品の出荷が今後回復する確率はかなり低いといのが関係者に共通した見方となっている。
 
 同フィルムの品種別の10月の出荷数量と累計は以下の通り。かっこ内は前年比。
 ▽LDPEフィルム=34,828トン(94.8%)  348,653トン(93.2%)
 ▽HDPEフィルム=19,034トン(95.1%)  187,217トン (94.3%)
 ▽IPP=1,330トン(91.8%)  13,811トン(99.4%)
 合計=55,192トン(94.8%)  549,681トン(93.7%)