2008年12月10日
進展する「東アジア地域統合と日本」
ジェトロが50周年記念国際シンポ
【カテゴリー】:行政/団体
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 ジェトロ(日本貿易振興機構)は9日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで創立50周年を記念し、「東アジア地域統合と日本」〜国家・市場・人の移動〜と題する国際シンポジウムを世界銀行、朝日新聞と共催した。
 林康夫・ジェトロ理事長、粕谷卓志・朝日新聞編集局長、谷口和繁・世界銀行駐日特別代表が挨拶した後、白石隆・ジェトロ・アジア経済研究所長が「より多角的な視野からこの地域のさまざまな動きを捉え、東アジアがどのような姿になるのか、日本はどう取り組むべきか展望したい」(要旨)と述べた。

 同地域の統合、秩序の形成については、アセアン10カ国+3から+6(日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)とする方向論議が進められている。経済成長の著しい中国の影響と指導のもと、中国中心の秩序が形成されてゆくという論調に対する検証も試みられている。

 基調講演では6氏が登場。ピーター・カッツエンスタイン・コーネル大政治学部教授は「欧米の貿易政策と制度(インステチューション)優先に対し、東アジアはテクノロジーと生産ネットワークが安全保障に繋がり、安定した」とみる。

 スリン・ピッスワンアセアン事務総長は「この20年ジェトロは、日本企業を先頭にしたアジアでの活動を、アジアの開放と統合に変えた。マーケットを開きビジネスを広げるというやり方。東アジア共同体という考えも出した」とし、地域統合をのぞむ。

 若松勇・ジェトロ海外調査部主任調査研究員は「米国発金融危機の影響で、東アジアの景気も鈍化が避けられない状況。しかし、09年は中国8.5%、インドが6.3%、アセアン5カ国は4.2%の成長が見込まれている。海外に進出している日本企業は1万6,370社あり、このうちアジアは9,671社。サプライチェーンを形成している」また「FTAの空白地帯と言われた東アジアで、今17の地域がFTAを発行させた。関税が下がる中、貿易円滑化が重要になっている。日本は05年から人口減少が進み、今後はアジアの活力を取り込みつつ、アジアの成長に寄与する必要がある」としている。

 このほかヴィクラム・ネール・世界銀行貧困削減、経済政策、民間、金融セクター担当局長、マロノ・アベラ・ILO労働移動政策の関するアジア地域プログラムチーフテクニカルアドバイザー(ビデオ参加)、岡本次郎ジェトロ・アジア経済研新領域研究センター 国際関係・紛争研究グループ主任研究員が講演した。