| 2008年12月19日 |
| 中国 ハウス栽培の新モデルで急成長、CHINA GREENが野菜、果物など |
| 【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:なし |
ビニールハウスによる野菜・果物栽培と食品加工でビジネスモデルを構築、急成長を遂げている企業を取材した。福建省福州市に本社を置く中国緑色食品(CHINA GREEN HOLDINGS)で全国40か所に面積約5万平方キロ、計40か所の生産基地を持つ。年間栽培能力は32万4,200トン。さらに10か所の加工プラントを有し能力は年44万900トン、09年4月末までに55万2,500トンに増強する予定だ。生産規模では中国5本の指に入る。同社は98年にスタート、04年に香港に株式上場した。 生産基地は福建省の恵安、泉州をはじめ山東、江蘇、浙江、広東、海南、湖北、上海などに及ぶ。1省単位で栽培から販売までのルートを築きあげた。今後も拡充する方針。最近は野菜・果物栽培と食品加工に加えて、高付加価値のブランド製品開発に力を入れている。 売り上げは04年の3億7,543元から08年(4月末まで)には12億6,709元と3倍以上となった。国内販売では04年の33.2%から08年には53.3%と輸出を上回った。 輸出は日本向けが58・50%(対前年比15.9%増)で最高。これにEUが20.9%(同36.7%増)、台湾、韓国などのアジア諸国が16.10%(同97.8%増)続き、オーストラリア、アフリカ、中南米、英国、ロシアにも出ている。 今月初めに現地取材した恵安生産基地はアモイから北に約110キロの海岸沿いにあり、面積3万ムー(1ムーは660平方メートル)、栽培能力15万トンと同社の持つ基地の最大。レタス、ブロッコリ、おおば、長ねぎ、にんにく、しょうが、大根、キャベツ、こんにゃくなどを生産していた。ポイントは品質、スピード、高付加価値としている。 同社では作物栽培にあたって農民から24〜25年契約で農地を借り上げる。この農地の耕作(労務費は最低賃金と報奨金)はその農民にまかせ、有機農業の施肥や農薬使用を指導する。このやり方は政府も農業振興策として支持している。 また、作物の生産計画は同社が消費者・販売会社から注文をとり、品種、物量、価格などをきめる。過剰生産、値崩れを防ぎ効率的な取引を行うことを狙ったもので、無駄が省ける。 孫少鋒・同社代表(董事兼総経理)は「緑食品から加工、高付加価値製品をめざしている。世界の工場として価値(ブランド)を高め、消費者の文化としたい。物流も手がける」と意欲をみせる。08年5月に上海で物流ビジネスを開始、レストランチェーンにも参加した。 同社の売上コストをみると08年で原材料9.2%、農民支払31.2%、工場人件費10.1%、土地賃貸料5.9%、包装加工費23.3%、ブランド食品・飲料原材料費7.6%、その他12.7%。売り上げに対する純利益率は37.2%と高い。 |