2008年12月24日
天然ガス版 OPEC(?) 創立
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 世界の主要な天然ガス生産国が参加する天然ガス輸出国フォーラム(GECF)は12月23日、モスクワで第7回閣僚級会議を開き、天然ガス生産国による公式な国際機関を発足させることで合意した。憲章が合意され、カタールの首都ドーハに本拠を置くことが決まった。

 GFCFはメンバー諸国の協力強化のために設立され、2001年にイランで第1回会合を開いた。従来は情報交換が主で、憲章もなかった。正式メンバーは14カ国で、他に赤道ギニアとノルウェーがオブザーバーで入っているが、今回赤道ギニアが正式メンバーに認められた。なお、今回の会議からカザフスタンがオブザーバーとして認められた。

 メンバーは以下のとおりで、15カ国合計の天然ガス埋蔵量は全世界の72%、オブザーバーの2カ国を含めると74%に達する。このうち、ロシアが25%、イランが16%、カタールが14%で、3国で全世界の55%を占めている。不参加のサウジアラビアの埋蔵量シェアは4%程度。

正式メンバー(15カ国)
 ロシア、イラン、カタール、UAE、ナイジェリア、 アルジェリア、インドネシア、マレーシア、ヴェネズエラ、エジプト、リビア、ボリビア、トリニダードトバゴ、ブルネイ、赤道ギニア

オブザーバー(2カ国)
 ノルウェー、カザフスタン

 会議の席でロシアのプーチン首相は、「ガス田開発の費用は急増しており、安いエネルギー、安いガスの時代は終わった」と述べた。

 しかし、他の参加国は天然ガスと原油は異なり、OPECのように簡単に数量や価格を決める訳にはいかず、長期的な視点で協議するだけと、慎重な発言をしている。

 専門家の間でも、原油と異なり、天然ガスは膨大なコストがかかるパイプラインが必要であり、長期契約が通常であるため、カルテルはうまく機能しないだろうと見ている。しかし、中期的には価格上昇につながる可能性はある。