2009年01月07日
中国の化学品輸入、主要化成品も減少が続く
11月は10品目中の9品目が前年を下回る
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 中国が昨年11月に輸入した汎用樹脂の通関数量は全品目が前年同月を下回ったが、主要化成品も同様に引き続き低調で合計10品目のうちEGを除く9品目が前年同月割れとなった。しかも、どの製品も前年に対する縮小率がこれまで以上に大きくなっている点が注目される。
 
 合計10品目の中で前年を上回ったのは2.9%増となったEGだけ。他の9品目は、BPA(ビスフェノール-A)の73.5%減を筆頭に、AC(アセトン)の65.8%減、酢ビの60.0%減など、いずれも大幅な前年割れとなっている。縮小率が最も小さいVCM(塩ビモノマー)でさえ20.3%の減少である。世界同時不況の発生による中国の化成品ユーザーの買い控えの徹底振りが端的に現われている。
 
 これに伴う昨年1月から11月までの累計も、同じくEGを除く9品目が前年同期を割り込むかたちとなっている。ただし、上期は縮小幅がまだ小さかったので多くの品目の累計の縮小率は11月ほど大きくはない。それでも、酢酸の39.0%減やAN(アクルロニトリル)の33.7%減をはじめ多くの品目が過去数年見られなかった大幅な縮小率となっている。

 中国による主要化成品の昨年11月の輸入通関数量と累計は以下の通り。右が累計。かっこ内は前年比。
 ▽EG=388,839トン(102.9%)  4,836,149トン(108.8%)
 ▽SM=205,255トン(66.0%)  2,535,672トン(88.9%)
 ▽VCM=46,365トン(79.7%)  707,759トン(88.1%)
 ▽AN=19,922トン(61.0%)  273,871トン(66.3%)
 ▽PTA=355,850トン(79.3%)  4,504,046トン(81.1%)
 ▽PH=32,432トン(70.6%)  337,971トン(82.8%)
 ▽BPA=12,599トン(26.5%)  190,515トン(93.8%)
 ▽AC=16,227トン(34.2%)  337,785トン(75.2%)
 ▽酢酸=9,776トン(42.8%)  289,535トン(61.0%)
 ▽酢ビ=10,938トン(40.0%)  251,950トン(98.5%)。