2009年01月13日
プラ容器包装の協会引き取りが低迷
11月は前年比4%減、リサイクル量も3.3%減
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 国の指定法人である日本リサイクル協会が昨年11月に容器包装リサイクル法に沿って全国の市町村から引き取った使用済みプラスチック製容器包装(発泡スチロール製食品用トレイを除く「その他プラスチック製容器包装」)の総数量は45,613トンで、前年同月の実績を4.0%下回った。3ヵ月振りの前年同月割れである。

 これに伴う4月から11月までの累計は401,291トンで前年同期の実績を4.5%上回っている。しかし、同協会の今年度の年間引き取り予定数量は668,086トンで前年度の実績に対する伸び率は15.1%となっているので、4〜11月の累計の実際の伸び率はかなり低いと言える。
 
 一方、同協会の委託を受けての専門事業者による容器包装の11月の再商品化(リサイクル)量は29,939トンで、前年同月の実績を3.3%下回った。2ヵ月連続の前年同月割れである。11月も前年同月を下回ったのは、プラスチック製品化が同16.9%増と大きく伸びたのに加えてコークス炉化学原料化も2.9%増えたものの、高炉還元剤利用が50.9%、合成ガス化が39.2%、熱分解油が41.4%それぞれ大幅な縮小となったため。
 
 4月から11月までの累計は237,437トンで、前年同期の実績を0.8%下回っている。プラスチック製品化が15.4%増えた反面、他の手法は全て前年同期を割り込んでいる。マテリアルリサイクルだけが伸びてケミカルリサイクルが全てマイナス成長となっているわけで、この要因の十分な分析と対策が必要といえる。
 
 その他プラスチックせい容器包装の昨年11月の手法別リサイクル実績と4月からの累積(右)は以下の通り。カッコ内は前年比。
 ▽プラスチック製品化=13,798トン(116.9%)  110,361トン(115.4%)
 ▽熱分解油=207トン(58.6%)  1,686トン(60.0%)
 ▽高炉還元剤利用=1,177トン(49.1%)  9,944トン(49.5%)
 ▽コークス炉化学原料化=11,663トン(102.9%)  87,893トン(99.2%)
 ▽合成ガス化=3,087トン(60.8%)  27,554トン(85.7%)
 合計=29,932トン(96.7%)  237,437トン(99.2%)。