2009年02月02日
容リ協のPETボトルの引き取りが拡大
中国の輸入の縮小が市町村に影響か
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 日本容器包装リサイクル協会が2日に集計したところによると、同協会が容器包装リサイクル法に沿って全国の市町村から12月中に引き取った使用済みPETボトルの総数量は10,834トンとなった。前月を1.2%、前年同月を14.1%それぞれ上回っている。前年同月に対する伸び率としては今年度に入ってこの12月分が最も高い。これで、9ヵ月連続の前年同月超えとなった。
 
 12月の引き取り量が前年を大きく上回った要因としては、これまで大量にわが国から使用済みPETボトルを輸入してきた中国が10月以降に輸入を大幅に縮小しはじめたことが挙げらる。これまでわが国の市町村の多くは、同法に沿って各家庭から分別収集した同ボトルの大半を対中国貿易商社に売却する政策を取ってきていた。ところが、中国のリサイクル事業者がポリエステル繊維製品の輸出の激減に対応して原料のPETくずの輸入を極端に抑えはじめたため、多くの市町村が余剰となってきた分別収集品を同協会に引き渡す措置を取るようになり、それが同協会の引き取り量の大幅増となって現われてきていると言える。
 
 財務省の12月の輸出統計によると、同月のPETくずの総輸出量は28,427トンで前年同月を13.4%下回っている。3ヵ月連続の前年同月割れであり、この結果10〜12月期の総輸出量は84,744トンで前年同期を18.9%下回るかたちとなった。拡大一途できたのが一気に大幅な減少に転じたわけで、このため市町村の中にはこの状態が続くと行き場を失った廃棄ボトルが集積場で野ざらしの状態になると警戒する向きも増えてきている。
 なお、同協会による今年度の引き取り数量の累計は119,059トンで、前年同期比は6.4%増となっている。同協会の目標は同12.8%増の157,993トンなので、中途ラップとしてはかなり低レベルということになる。