| 2009年02月03日 |
| プラ容器包装のリサイクル、12月は前年超え |
| 累計はMR優先策のひずみで若干の前年割れに |
| 【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
容器包装リサイクル法によるプラスチック製容器包装の12月のリサイクル数量は32,157トンで、前年同月の実績を1.5%上回った。うち、PSPトレーを除くプラスチック製容器包装(その他プラスチック製容器包装)は32,089トンで、同じく前年同月を1.5%上回っている。いずれも小幅ながら3ヵ月振りの前年同月超えとなった。 この結果、4月から12月までのプラスチック製容器包装全体の総リサイクル量は270,086トン、うち「その他プラスチック製容器包装」は69,9,527トンとなった。ともに前年同期を0.5%減下回っている。 わずかとは言え前年同期を下回っているのは、「その他プラ容器包装」について政府がかねてからマテリアルリサイクル(MR)優先のリサイクル推進策を取り続けているせいと見られる。同期の手法別リサイクル実績を見ると、全体の46%に相当する量がパレットや擬木などMR製品に加工されている。しかも前年同期比は15.4%増で、唯一の前年同期を上回っている。ちなみに他の手法は、ホークス炉化学原料化が100,176トンで0.2%減、合成ガス化が32,181トンで14.7%減、高炉還元剤利用が11,276トンで49.4%減、熱分解油が1,909トンで38.7%減となっている。 問題は、年度はじめに実施されるリサイクル事業者の入札に際してMR事業者を優先する政策が取られているため、ケミカルリサイクル事業者の活動の拡大に自ずと制限が加わることになると言える点だ。日本容器包装リサイクル協会が同期間に市町村から引き取った使用済みのその他プラ容器包装量が452,593トンとなっているのに対して、同協会の委託によるリサイクル量がその6割弱の269,527トンにとどまっている最大の要因はMR優先策の継続にあると指摘する関係者は極めて多い。このままいくと、分別収集されたその他プラのうちリサイクルされないで放置されるものが一段と増えていくことになりかねない。 |