2001年05月08日
住友化学、10月にアグロスの農薬事業をアグロ事業部へ統合
流通パートナーに直接販売する体制に
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学工業は8日、子会社であるアグロスの農薬事業を10月1日付でアグロ事業部に統合、卸商などの流通パートナーに直接農薬を販売する、と発表した。この結果、住友化学は農薬流通面における主要パートナーと緊密な協力により、さらに農家や産地に密着、ニーズ・要請に対応できるよう、農業関連分野の事業展開を推進していく考え。
 アグロスは1988年、住友化学がアグロスの前身である山本農薬などの事業を買収して設立、以来、住友化学の農薬の商系販売を担当する会社として、事業を展開してきた。しかし、食品の安全性や環境保全型農業へのニーズが高まる中、農薬事業を取り巻く環境は、減農薬の加速化などにより、一段と厳しさが増すと見られている。これら厳しい事業環境で生き残っていくため、住友化学とアグロスに分散している農薬の開発・普及・販売機能を統合、一部機能の重複をなくすとともに、これらの機能の強化を図る。
 また、農作物の輸入圧力が強まる中で、国内では高品質で安全な作物を周辺の環境に配慮しつつ生産するための栽培技術、病害虫防除技術に対する農家・各産地のニーズ・要請がますます強まると見られ、こうした要請に迅速かつ的確に対応、住友化学自身がその研究開発力を生かせるよう農家・産地により近い所で事業を行う体制の構築を目指す。
 一方、住友化学では、これを機に取引先との間でIT技術を利用した情報交換・支援サービスを提供するためのネット構築を計画している。これにより取引先との連携・情報交換のもと、農家・産地のニーズにきめ細かく対応する体制も整えていく。
 なお、住友化学は、農業関連分野の事業をコア事業の一つに位置付けており、今後も日本の農業の要請に応えうる安全かつ機能性の高い農薬・資材・技術の研究・販売に注力していく考え。