2009年02月12日
大連の保税区が産業立地促進へ企業助成策
大窯湾保税港区に自動車・部品、物流など誘致
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 大連の保税区が大窯湾に建設した保税港区の本格的な運営を始めることになった。大窯湾保税港区は大連保税区(面積71平方キロ、大連経済技術開発区に隣接)の東方、約20キロに位置し、06年8月に国務院から許可された。保税港区としては上海、北京に次ぐものである。まず自動車・部品の大型産業基地建設に乗り出す。

 面積6.88平方キロ、保税区、輸出加工区、保税物流園区などを保有する。市は同港区の一部として二十里堡機能区(面積6.9平方キロ)も所有している。大連保税区は中国東北地方の国内、海外の2つの窓口の役割を果たしている。同地方の輸出貨物の85%に及ぶ。

 大連経済技術開発区には内外の企業約2,300社が活躍、このうち日系企業は約700社を数える。エリア内には日本企業70社が参加する日本工業団地がある。日系企業は東芝、キヤノン、TDK、トヨタ工機、三洋電機、富士電機、三菱電機、コニカミノルタ、日本電産、リヨ—ビ、YKK、トステム、パナソニックなど。

 大連市(面積1万2,574平方キロ、人口1.2億人)としては、ホルクスワーゲンのエンジン工場のほか市内に、バス、プロパンガス専用車、エンジン、トランスミッション、カムシャフト、自動車鋼板、内装品、タイヤなどのメーカーがあることから、かねて完成車の生産を計画していた。

 保税港区の完成で用地が十分に確保され、フェリー埠頭(5万トン級バース1基、1万トン級1基)も稼働したため、自動車・部品の建設に乗り出したもので、今月から日系企業の参加を呼び掛けている。

 大窯区コンテナ-埠頭には中国最大規模といわれる石油化学、鉱石、食糧、自動車、LNGなどの埠頭も整備されている。大連を管轄する遼寧省には大型自動車基地として瀋陽市があるが、今後、両市の競合も予想される。

 この産業立地の促進策として大連保税区は今年から以下のような企業優遇策を決めている。
・区内企業発展のため毎年1億元の基金を財政支出する。工事、経営、製品の開発研究、産業のグレードアップなど。
・人材発展特定基金として,毎年5,000万元、クリーン生産と汚染物削減のためのエコ補助金として1,000万元を調達する。
・区内に進出した企業に補助金を支給する。登録資本金10億元以上2,000万元。10億元以下5億元以上1,000万元。5億元以下1億元以上500万元。オフイス購入・自社建設は1平方メートル1,000元、レンタルは家賃の30%(3年間)補助。
・大型ハイテク投資には投資額の10%,生産用中核設備の20%について補給金。
・企業の紹介や推薦者に対し0.3-0.6%の報奨金を与える。
・保税区内に登記し、1年以上たった生産加工と物流企業で、年50人以上の雇用が新たに増加した場合、毎年1人当たり1,000元を補給する。ほか税金還付など。