| 2009年03月02日 |
| 珠海市が高欄港経済区に石油化学センター |
| 広東の珠江デルタ西部開発、国家レベルで |
| 【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:なし |
南シナ海に面した広東省の珠海市は、珠江デルタ西部の交通中枢都市を目指した経済開発を進めているが、鉄道、高速道路、港湾などのインフラ計画が整備されたため、高欄港工業団地、航空産業団地、海洋開発用大型設備生産基地、国際ビジネスレジャーリゾートなどの開発を実行することになった。日系企業の参加を呼び掛けている。 陳洪輝・珠海市副市長が先週明らかにした。市は「グローバルな金融危機に対応するため、2,000億元の資金を調達し、向こう4年で産業発展や民生プロジェクト、インフラ施設の建設、環境保護の構築などの投資に重点を置く」としている。 現在、市では50万平方キロの航空産業団地(広東省唯一)を建設中で、このほど資本金120億元の中国通用航空公司を設立した。また、香港—珠海—マカオを30分でつなぐ港珠澳大橋(全長36キロ、2014年完成)の建設を、年内に始める予定。広州—珠海・高欄港間の貨物専用鉄道は今年6月に完成する。28キロの高速道路も建設中だ。珠江デルタ都市をつなぐモノレール(広州—珠海間40分)が年内に完成、珠海国際コンテナー第2期の2つの5万トン埠頭も8月供用を目指している。 高欄港工業団地の大型投資は石油化学センターの建設。同団地は珠海高欄港経済区(総面積183平方キロ、企画面積330平方キロ)の中にあり、29万平方キロが化工区として開発されている。エチレン年80万—100万トン規模の計画である。国家発展改革委員会から今年初めに、珠江デルタ開発には広東省東部と西部にセンターを建設していいのではないかとの方針がだされた。このうち東部はすでに恵州市にシェルグループがエチレン年80万トンのセンターを操業している。 従って西部は広州・南沙と珠海・高欄港の争いとなる。同委員会としては高欄港計画を国家プロジェクトとして進める方向で、具体計画を指導しているといわれる。珠海市も高欄港が27メ—トル深水で大型港湾に適していることや珠江デルタの交通網の中心地に位置することなどをあげ、プロジェクトの推進に積極的だ。 07年にはポリスチレン、ABS樹脂、ビスフェノールA、ポリカーボネ-となど16品目に及ぶ製品計画(資金286億元)が立案されたが、具体計画まで至らなかった。高欄港ではすでに英BP社がTPA(高純度テレフタル酸)年産14万トンの設備を操業、LPGを生産しているが、同社は上海で石油化学センターを操業しており、センター建設への参加が有力視されている。また、中国最大のシノペックが参加の意向を示している。 珠海市の経済は08年のGDPが前年比9%増の992億元(人口145万人、陸地面積1,653平方キロ)、輸出入総額は17.5%増の468.4億ドル、実行ベースの外資導入は11%増の11.4億ドルと伸びている。日系企業の珠海への投資は累計14億ドル、日本通運,山九、パナソニック、キヤノン、住友化学、三井物産、伊藤忠など200社近くが進出している。問合わせは市駐日本代表事務所:TEL03-3209-2624 |