2009年03月03日
PETボトルの1月の引き取りは前年比23%増に
再商品化量は2.6%増にとどまる
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 国のリサイクル指定法人である日本容器包装リサイクル協会が1月中に全国の市町村から容器包装リサイクル法に沿って引き取った使用済みPETボトルの総数量は11,849トンとなった。前年同月の実績を23.0%上回っている。過去数ヵ月の前年同月比伸張率は10月が2.1%、11月が1.5%、12月が7.8%であったので、1月は異例の高率と言える。12月の実績に対しても9.4%の増加となっている。これで同協会の月間引き取り量の前年同月超えは10ヵ月連続に延びた。
 
 しかし同協会が同月中にリサイクル専門事業者に委託した再商品化(リサイクル)量は8,616トンで、前年同月を2.6%上回るにとどまっている。2ヵ月連続の前年超えだが、前月も1.9%増にとどまっており完全な伸び悩み状態に陥っていると言える。また、総引き取り量に対するカバー率も72.7%にすぎない。
 
 1月の総引き取り数量が前年を大きく上回った最大の要因は、全国各地の市町村に対する中国からの使用済みPETボトルの引き合いと注文が大幅に縮小してきたことにあると見られる。家庭から分別収集した使用済みPETボトルの多くを中国向け輸出業者に対する売却で消化してきた自治体が、輸出の激減で急遽同協会への引き渡しに注力するようになってきたことが大きく作用していると見られているもの。
 この結果、昨年4月からの累計は130,909トンとなった。前年同期の実績を7.7%上回っている。
 
 一方の再商品化量が伸び悩んでいるのは、リサイクル事業者が同ボトルの輸出の拡大を念頭に置いて控えめな事業計画を組んできたためと見られている。原料である使用済みPETボトルの供給量がいきなり増えてもただちにリサイクル体制を拡充するのは困難であり、しかもそれ以上に容易でないのは新たな市場の開拓である。このため、しばらくは引き取り量と再商品化量の間に大きな開きが生じた状態が続くと予想される。なお再商品化量の累積は102,545トンで、前年同期を8.1%上回っている。