2009年03月05日
中国のオレフィン品輸入、1月はともに大幅増
化成品はEG、VCM、PTAが引き続き活発
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 中国が1月に海外から輸入したエチレンとプロピレンの通関数量はともに前年同月の実績を大幅に上回った。
エチレンは前年同月比27.8%増の75,790トンで3ヵ月振りの前年同月超えとなった。一方のプロピレンは同90.4%増の108,822トンで、4ヵ月連続の前年同月超えとなった。いずれも、中国国内の主要誘導品企業とトレーダが製品在庫の縮小とナフサの先高観測に基づいて買い注文を増やす行動に出たためと見られる。

 エチレンもプロピレンも韓国品がトップを占めている。ただし、エチレンの韓国品は前年同月を10.2%下回っている。それにもかかわらずエチレンの総輸入量が大幅な前年超えに転じたのは、イラン品が3.56倍に膨らんで韓国品に次ぐ規模となったのと、第3位の日本品が12.4%増えたため。

 一方のプロピレンの大幅増は、トップの韓国品が3.1倍、第2位の日本品が2.3倍へとそれぞれ急拡大を遂げたことによるもの。これには、韓国と日本のセンター会社の多くがプロピレン系誘導品の国内需要の不振の長期化に音を上げてこれまで以上にプロピレンの中国向け輸出に力を入れるようになってきたことが大きく作用していると見られる。

 片や化成品の輸入は、引き続き多くの製品が前年同月を下回っている。ただし、VCM、EG、PTAの3品目は引き続き前年を大きく上回っている。VCMの増加は、エチレン法のコスト競争力がカーバイド法を上回るようになってきたことによるもの。また、EGとPTAの増加はポリエステル繊維の同国内需要が回復してきたことに伴うものと見られている。

 中国によるオレフィンと主要化成品の1月輸入通関数量は以下の通り。かっこ内は前年同月比。
▽エチレン=75,790トン(127.8%)。
▽プロピレン=108,822トン(190.4%)。
▽SM=215,796トン(76.1%)。
▽EG=479,710トン(110.3%)。
▽VCM=164,454トン(222.9%)。
▽AN=13,396トン(38.5%)。
▽PH=35,647トン(97.6%)。
▽BPA=20,649トン(60.2%)。
▽AC=28,182トン(88.6%)。
▽PTA=456,980トン(113.7%)。
▽酢酸=4,412トン(27.3%)。
▽酢ビ=3,586トン(15.7%)。