2009年03月10日
ダウ、Rohm & Haas 買収で合意
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 ダウはRohm & Haas (R&H) との裁判が始まる当日の3月9日、R&H 及びその大株主との間で、これまでと異なる条件で4月1日までに買収を行うことで合意したと発表した。
これにより本件での訴訟は終わる。

 ダウは2008年7月、188億ドルでR&H を買収すると発表した。

 ダウはそのうち130億ドルを1年間のつなぎ融資で賄い、クウェートのPICとのK-Dow 設立でのPICからの入金でつなぎ融資の一部を返済する予定であった。

 しかし、K-Dowが破談したため、つなぎ融資の返済の目処が立たず、当初の約束期日にR&H買収が出来ず、R&Hから訴えられていた。

 今回、下記により、とりあえずの目処を立てたもの。

1)合意の一環として、R&Hの2大株主はダウの出す永久優先株25億ドルを購入、更に、そのうちのHaas Family Trusts はダウのオプションでダウの株式に5億ドル投資する。
 当初発表の1株 78ドル でのR&H株式買収(153億ドル)のうち、63ドル (124億ドル)は現金で支払い、残りの15ドル(29億ドル) は優先株で渡す。

2)ダウは史上初の減配を行い、年間10億ドルの資金を節約する。

3)以下の事業売却交渉を実施中で、40億ドルに達する。

 ・Total Group との合弁のオランダの石油精製 Total Raffinaderij Nederland NV のダウ持分(45%)の売却
 ・東南アジアのオレフィン及び誘導品JVのダウ持分の売却(相手側との予備交渉は既に開始)
 ・R&Hの塩事業 Morton Salt の売却 

4)銀行との間で、つなぎ融資を2011年4月まで1年間延長することに同意した。 
 新しい契約は当初より5億ドル少ない125億ドルで、このうち45億ドルは1年間、80億ドルは2年間借りることが出来る。

 つなぎ融資のうちの80億ドルを2年間としたため、この間に更に追加資産を有利に売却する時間が与えられたことになる。
 Dow AgroSciences 売却の売却も噂されており、Syngenta AG が買収を検討するとしている。