2009年03月10日
エチレン換算輸出入の1月の実績に大きな変化
輸出が15ヵ月振りの前年超え、輸入は前年割れに
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 経産省化学課が10日に集計したところによると、エチレンならびにエチレン系誘導品の1月の輸出入実績は、エチレン換算の総輸出量が203,700トン、同じくエチレン換算の総輸入量が53,600トンとなった。
 
 これらを前年同月の実績に比較すると、輸出は25.7%増、輸入は6.0%減ということになる。輸出の前年同月超えは実に15ヵ月ぶり。輸入の前年同月割れは5ヵ月ぶり。これまでにない大きな変化が生じたのが1月の実績ということいなる。
 
 輸出は過去4ヵ月にわたって大幅な前年割れが続いていた。昨年9月に34.9%減となったのを皮切りに10月が36.2%減、11月が29.6%減、12月が17.6%減と、いずれも2ケタの前年割れとなっていた。それが1月に一転して大幅な前年超えになったのは、エチレンが82.1%増の22,479トンへと急拡大したのに加え、EGが443.8%増の15,480トン、VCMが93.6%増の66,767トン、LDPEが26.7%増の18,179トン、HDPEが22.1%増の14,542トンへと主要製品がそれぞれ突然大幅な伸びを遂げたため。
 一方、輸入が久方ぶりの前年超えに転じたのには、LDPEが28.1%減の17,309トンに縮小したことと、エチレンが48.0%減って11,817トンにとどまったことが大きく影響している。
 
 これに伴う差し引きの出超量は150,100トンとなった。前年同月の出超量を42.8%上回っている。
 多くの石油化学企業がメーカー在庫の大幅な縮小を目的に、輸出ドライブをかけたのがこうした大幅な出超現象をもたらしているわけで、これが各社の事業採算に結びついているかとなると大いに疑問と言えそう。