2009年03月13日
中国で日本語習得のIT技術者を養成、上位100以内の大学から選抜、派遣へ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 日本で不足するIT技術者を、中国が優秀な大卒で賄う試みが進んでいる。8カ月でIT600時間、日本語1,000時間を教育するカリキュラムである。日本ではいま「きつい、汚い、給料が安い」の3k業務が嫌われ、就職希望者が激減しているIT業界。一方、中国では2000年の107万人から2008年に559万人に大卒IT技術者が増えている。このギャップを埋めようとニュービジネスが生まれた。

 中国の大卒IT技術者は2011年に758万人に達し、150万人が失業するとの予測が出ている。そこで「技術力、人間性、日本語」を備えたポテンシャルの高い人材を在学中に育成、日本企業にまず派遣の形で送り込み、力量を見極める一定の派遣期間をおいて社員に登用するというシステムが提案された。中国人技術者に特化したIT人材を派遣するのは東方標準教育服務有限公司の日本法人「オリエンタル・スタンダード・ジャパン」(中谷卓也社長、東京・日本橋、TEL03-6431-8886)。中国教育部と連携、06年に業務をはじめている。

 中国最大手の民営教育企業の新東方教育科技集団(ジャスダック上場)と米大手投資会社・DCM(41%出資)の合弁会社である。新東方は中国で20か所のトレーニングセンターを持ち、年間7,000人のIT技術者を育成している。このうち300人を日本に派遣する予定ですでに130人を就業させている。中国の大学2,200校の中でランキング100位以内の大学からコンピュータサイエンスの専攻者を選抜している。

 中国の国家IT認定試験NIT-PROの合格者が条件。Java,Struts,Oracle,SOLServer、Linuxなどの基本知識、日本の開発スタイルも学んでいる。組み込み開発業界で注目されているLinuxトレーニングは言語、C++言語の開発を習得させるモバエルでのGPSシステム、デジタルカメラシステムの実践開発を体験している。