2009年03月26日
台湾・長春石化がPHの増産開始
10万トン能力プラントの稼動を開始
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 台湾のPH(フェノール)・AC(アセトン)メーカーの一つである長春石化はこのほどPHの大幅増産に踏み切った。昨年秋に増設した年産10万トンの能力のPHプラントの稼動を予定の4ヵ月遅れで開始したもの。これで同社のPHの総生産能力は30万トンに拡大した。
 
 同社が増設プラントを完成したのは昨年10月。既存の同20万トンプラントの定修明けに合わせて10月末もしくは11月初旬に稼動させることにしていた。しかし、その頃からPHの最大の消費国である中国からの引き合いと注文が急速に縮小してきたため操業を見合わせてきていた。
 
 そのプラントをここにきて戦列に加えることにしたのは、3月に入って中国からの引き合いが活発になってきたためと見られる。増産に必要な原料キュメンは東ソーからの購入量の拡大で賄うことになる。
 同社では、これに加えて今年7月には誘導品のBPA(ビスフェノール-A)のプラントも増強する計画。既存の同13万5,000トン設備と同じ規模の設備を増設する。その増設プラントが稼動するまでの間は、余剰のPHを専ら中国に輸出することになりそう。
 
 最近のアジア地域では、中国の需要の本格回復を織り込んでPHの増産に踏み切るところが相次ぐ傾向にある。またタイ・PTTのように同20万トン設備を新設するところも現われており、このままいくと激しいシェア争いが再発することになる。