2009年04月17日
蘇州市の市長が来日、互恵・共同発展を呼びかけ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 江蘇省の蘇州市は17日、東京で市の発展計画について、閻立・市長自ら講演、日本と「同舟共済、互恵互利、共同発展」の精神で協力関係をさらに深めたいと語った。とくに研究開発とソフトウエア、物流サービス、金融サービス、観光業と展示会、文化とクリエイテブなどの新産業を発展させたいと強調した。

 蘇州は中国で今、最も活躍している沿海と長江の2つの経済ゾーンの交差点にあり、国際大都会の上海から80キロの距離、太湖に一部面している。2000年以来、GDPが年平均15%以上、財政収入が30%以上も増加し、08年のGDPは965億ドルに達した。

 08年半ばまでに外資企業が約2万社(投資額400億ドル)進出、世界の500強のうち77社を数える。日系企業は約2、000社、実質投資額66億ドルを超えている。東芝、日立、パナソニック、三洋、シャープ、トヨタ、ソニー、伊藤忠、丸紅、住商、三菱、三井、双日など。

 蘇州からも対日投資が行われ、すでに11社が進出、300万ドルを投入している。対日貿易総額は08年で256.3億ドル、中国の対日貿易総額の9.6%を占めている。蘇州は2500年の歴史を持ち,寒山寺など観光資源も豊富だ。常駐人口は約1,000万人。

 蘇州の産業は市東側の蘇州工業団地(288平方キロ、シンガポールと共同開発した工業園区)と西側の蘇州国家高新技術産業開発区(258平方キロ)を中心に展開。ほかに市が管轄する県クラスの市が5つ(張家港、常熟、太倉、昆山、呉江)と5つの区があり、いずれも開発区を持つ。総面積8,488平方キロ。

 業種は医薬、金型を主力とする精密機械、新エネルギー、航空機材・部品、ナノテクノロジーなど。サービス業の外資投資額は08年に前年の2倍、20億ドルとなり、市政府の方針で今後、拡大される。このうち技術系のサービス業、交通運輸業、ソフト業、ビジネスサービス業プロジェクトは成長率が07年比200%を超えた。新アウトソーシングの企業は500社をかぞえる。

 今後、市が重点を置くという研究開発では、世界でも有数なエレクトロニクス・インフォメーション技術を主力としたハイテク産業基地ができあがっているため、テクノイノべーション型の都市づくりを加速させる。

 物流サービス業では長江沿い港湾、高速道路、関税特別監督機能から成る地域システムを利用して、国際運送代理業務やサプライチェーン管理、原材料の調達管理などを進める。蘇州港の貨物取扱量を向こう3年ぐらいで3億トン、コンテナ取扱量を500万TEUに増強する。

 クリエイティブ産業は「呉文化」を生かしアニメ、出版・印刷、芸能、広告などを発展させる。サービスアウトソーシングでは契約額で6億ドルを超えた。ITO、BPO、KPOがそれぞれ44%、38%、18%を占めている。