2009年04月20日
大洋塩ビ、PVCの対中価格を再引き上げへ
5月分をトン750ドルでオファー
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:大洋塩ビ

 大洋塩ビはこのほど、中国の塩ビ加工大手各社に対してPVC(塩ビポリマー)の5月の輸出価格(CFR価格)をトン当たり750ドルに引き上げたい意向を示し、同意を求めた。
 4月の価格に対して85〜90ドルの値上げとなる。台湾・FPCもほぼ同じ幅の値上げを表明した模様。
 
 大洋塩ビによる4月の中国向け輸出価格は同660〜665ドルで、3月の価格を10〜15ドル下回った。同社がオファーした4月の価格は3月比25ドルアップの700ドルであったが、台湾・FPCと米国のPVC大手が余剰玉を中国市場で売りさばく戦略を精力的に展開してきたため逆に4ヵ月振りに下降するかたちとなった。
  
 それに対して同社では、ここにきて原燃料価格が上昇してもいるので採算を確保するにはどうしても750ドルへの引き上げが必要だとして値上げに再挑戦することにしたもの。米国のPVC企業の動きはまだ現時点では明確になっていない。しかしFPCは大洋塩ビと同様に採算ラインへの引き上げに意欲的の様子。また中国の国内需要が政府の景気刺激策の展開効果もあって好調を維持していることや、カーバイド法企業がコスト割れから大幅な減産を続けていること、さらには同国政府がこれまで3%であった製品輸出に対する増値税の還付率を4月から13%に引き上げたことなども同社に取って追い風になるといえそう。