2009年04月22日
SPDC、アジア地域向けPE価格を再引き上げ
5月分、CFR1,070〜1,080ドルでオファー
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:サウディ石油化学

 サウディ石油化学(SPDC)は21日、中国をはじめとしたアジア各国の樹脂加工大手企業とトレーダ各社に対してL-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の5月積みの価格を4月対比でトン当たり70ドル引き上げる考えを伝えた。
 ナチュラル品種のCFR価格をトン1,070ドルに、また、高透明品種を同1,080ドルにそれぞれ引き上げる。ただしベトナム向けについては、フレートが割高となるので従来通りそれぞれ10ドル上乗せする。

 同社がアジア地域で販売しているのは、日・サ合弁の「シャルク」が生産するC4コモノマー添加のL-LDPE(商品名;QAMAR)。
 同社の値上げは、今回で5ヶ月連続となる。その同社は、かねてからアジア地域におけるプライスリーダに位置づけられている。このためアジア地域では、今週末以降にほぼ同ていどの幅の値上を打ち出すL-LDPE企業が相次ぐと見られる。

 最近のアジア地域における同樹脂の需給バランスは、中国をはじめとしたアジア各国の需要の回復によって急速に引き締まってきている。SPDCによると、5月の引渡し分についても引き続き引き合いが活発という。しかも5〜6月はシンガポール、中国、日本、台湾等で大型L-LDPEプラントが相次いで定修のため運休するので需給は完全なタイトバランスになる見通しにある。このため、少なくともペトロ・ラービグの製品が流入するまでは新価格が維持されていくと見る関係者が多い。