2009年04月23日
中国・米国JV、山東省で石炭原料の酢酸工場第三期 建設開始
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

 山東省の国営石炭大手・エン礦集団(Yankuang)と米国の中国系投資会社・Cathay Capital Group (国泰財富集団)との70/30の合弁会社、エン礦國泰石炭化学(Yankuang Cathay Coal Chemicals)はこのほど、山東省滕州市(Tengzhou)で第三期酢酸計画の建設を開始した。

 540百万ドルを投じて、40万トンの酢酸プラントを建設する。

 エン礦國泰石炭化学は2004年にエン礦 70%、Cathay 30%で設立された。

 2005年11月に山東省滕州市で60万トンの高硫黄炭をガス化し、これを原料に24万トンのメタノールと20万トンの酢酸の生産を開始した。その後、酢酸能力は30万トンに増強された。原料炭はエン礦が供給している。

 同社は2007年に第二期計画として30万トンの酢酸と、10万トンの酢酸エチルプラントの建設を開始した。当初の予定では2009年下半期スタートとなっていたが、予定を早め、2008年10月にスタートしている。

 第三期計画がスタートすると、同社の酢酸能力は100万トンとなる。

 中国は2008年に171万トンの酢酸を生産し、31万トンを輸入している。

 しかし、現在の能力と増設計画は以下の通りで、増設計画が完成すれば、大幅な供給超過となり、輸出国になる。

・YARACO(BP/シノペック:重慶)  既存 35万トン、計画 65万トン
・BYACO(BP/シノペック:南京)             計画 50万トン(2009年スタート)
・セラニーズ(南京)           既存 60万トン、計画 60万トン
・エン礦國泰(山東省滕州)      既存 60万トン、計画 40万トン
・江蘇索普(江蘇省鎮江)      既存 50万トン、計画 30万トン
・Shanghai Wujing           既存 40万トン
・大慶メタノール工場          既存 20万トン
・合計                   既存 265万トン、計画 245万トン