2009年04月23日
ポリオレフィンの3月の出荷、HDPEが前年超え転じる
ただし国内向けは引き続き揃って大幅な減少に
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン3樹脂それぞれの3月の総出荷量は、LDPEとPPが引き続き前年同月を割り込んだものの、HDPEが小幅ながらも前年同月を上回り、7ヵ月続いた3樹脂揃っての前年同月割れに終止符が打たれた。

 LDPEは3%減で、8ヶ月連続の前年同月割れとなった。またPPは17%もの縮小で、前年同月割れが14ヵ月連続に延びた。HDPEは2%増で、9ヵ月振りの前年同月超えとなった。
 
 出荷の中で注目されるのは、輸出が3樹脂とも引き続き前年同月を大きく上回っている点だ。LDPEは2.25倍、HDPEは2.52倍にそれぞれ大きく膨らみ、PPも74%増となっている。多くのポリオレフィン企業が、年度末を控えて在庫の一層の縮小とエチレンプラントの最低操業率維持への貢献を目的に中国向け輸出に一段と拍車をかけたことによる。LDPEは4ヵ月連続の、HDPEとPPはともに3ヵ月連続の前年同月超えとなった。
 
 しかし国内向けは3樹脂とも引き続き前年を大きく下回った。LDPEは22%、HDPEは19%、PPは26%それぞれ前年同月を割り込んでいる。PPの縮小率が特に高いのは、自動車向けの依存度が高いせいと見られる。これでポリオレフィン3樹脂揃っての国内向けは前年同月割れは6ヵ月連続となった。PSとPVCを合わせた汎用5樹脂揃っての前年同月割れも同じく6ヵ月連続となった。
 
 一方の生産量も引き続き3樹脂が軒並み前年同月を大きく下回っている。LDPEは44%減で6ヵ月連続の前年割れ、HDPEは16%減で10ヵ月連続の前年同月割れ、そしてPPは44%もの減少で6ヵ月連続して前年を割り込んでいる。
 
 この結果、各樹脂の月末在庫は軒並み前月末を大幅に下回った。LDPEは14%減、HDPEとPPはともに11%減となっている。季節調整済み在庫率は、LDPEが2.8ヶ月分、HDPEが2.4ヵ月分でともに3ヵ月振りに2ヵ月台に戻り、PPも3.1ヶ月分に縮小している。ちなみに昨年12月末の在庫率はLDPEが4.1ヵ月、HDPEが4.6ヶ月、PPが4.3ヶ月であった。

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○4樹脂生産・出荷・在庫実績
http://www.chem-t.com/link/data/jpca/index.html