2009年05月07日
大洋塩ビ、5月の中国向け輸出価格を引き上げ
7ヵ月振りにトン500〜600ドル台から脱却
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:大洋塩ビ

 大洋塩ビは、同樹脂の5月の中国向け輸出価格(CFR価格)をトン当たり730ドルに引き上げることにしてこのほど同国の大手塩ビ加工企業各社の同意を得た。4月の価格に比べると同65〜70ドルの値上げとなる。
 
 同社をはじめとしたわが国のPVC企業による中国向け輸出価格は、昨年11月に前月の同890〜900ドルから同670〜690ドルに急落して以降、長期にわたって低迷を続けていた。今回の同社による同730ドルへの引き上げは、7ヵ月振りの同500〜600ドル台からの脱却となる。
 
 今回同社が大幅値上げに踏み切ったのは、VCMの価格が原燃料の高騰で急上昇してきたため。これを中国の需要家各社が受け入れたのは、中国の国内塩ビ加工製品の需要が同国政府の景気刺激策の展開効果もあって回復してきたことや、同国内のカーバイド法製品の生産量がコスト競争力の低下によって激減してきたこと等によって需給バランスが急速に引き締まってきたからと見られる。今後も同国の塩ビの需給は、苛性ソーダの需要回復の見通しが依然として立たないこともあって引き続きタイトバランスで推移していくと予想されている。