2009年05月11日
建設進む中国の原子力発電 年内に浙江、山東、広東、海南、山東で5基着工
【カテゴリー】:海外
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 中国国家エネルギー局はこのほど開かれた「21世紀に向けた原子力閣僚級会議」で、年内に5か所の原子力発電所を着工することを明らかにした。浙江省三門、山東省海陽、同栄成、広東省台山、海南省昌江で、三門原発第1号機は4月19日に着工、2013年に完成する予定。

 山門原発は第3世代原発技術AP1000を採用、今年9月に着工する栄成では中国自主設計の第4世代の特徴を持つ高温ガス冷却炉(HTGR,20キロワット、米ウエスチングハウス・エレクトロニク社技術)原発の実証プロジェクトが着工される。

 AP1000ユニットは量産化を進め、次は山東省海陽、さらに内陸部の省にも普及させる計画。国の重要な科学技術プロジェクトの「大型先進加圧水炉および高圧ガス冷却炉原発」も第4世代の自主ブランドとして開発することにしている。

 中国ではすでに11基の原発ユニットを稼働させている。設備容量は計910万キロワット。これまでに建設が承認された原発ユニットは24基、2,540万キロワットに及ぶ。さらに湖北省大●、湖南省桃花江、江西省鼓澤などが9地域で内陸部に原発建設の計画を進めているという。

 中国の第11次5カ年計画では2020年までに原発の出力を4000万キロワットまで拡大する予定であることが盛り込まれている。同局では2020年ごろまでに原発産業体系を形成し、原発法規と規格体系を確立したいとしている。

 AP1000システムは「パッシブ型安全システム」で、緊急時に物質の重力、慣性および流体の対流、拡散、蒸発、凝縮などの物理的特性を利用して原子炉が迅速に冷却し、原子炉の余熱を取り去れるのが特徴。ポンプや交流電源、ディーゼルエンジンなどの外部動力駆動システムを必要としない。(注)●は田の右に反