| 2009年05月21日 |
| ポリオレフィンの国内向け出荷、4月も大幅減に |
| 輸出は逆に3樹脂揃って引き続き前年を上回る |
| 【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:なし |
ポリオレフィン3樹脂それぞれの4月の総出荷数量は、3月と同様にLDPEとPPが前年同月を下回り、HDPEだけが前年超えとなった。LDPEは7%減の136,900トンで、9ヶ月連続の前年同月割れとなった。PPは23%もの減少の190,400トンとなり、前年同月割れの連続期間が15ヶ月に延びた。HDPEは4%増の90,300トンで、2ヵ月連続の前年同月超えとなった。 注目されるのは、国内向けが3樹脂とも引き続き前年同月を大幅に下回り、その反面輸出が軒並み前年同月超えを続けている点だ。うち3樹脂揃っての国内向けの前年同月割れはこれで7ヵ月連続となった。一方、3樹脂揃っての輸出の前年同月超えは4ヵ月連続となった。 国内向けは、LDPEが16%減の110,200トンで9ヶ月連続の前年同月割れとなったのをはじめ、HDPEが15%減の66,200トンで7ヵ月連続の、またPPが25%減で同じく7ヵ月連続の前年同月割れとなった。LDPEの落ち込みは、主力のフィルム用が17%減ったのに加え、加工紙用が20%もの前年割れとなったことによる。HDPEが引き続き前年を下回ったのは、フィルム用が16%減となったことと中空成形用が19%もの縮小となったため。PPの前年割れの主因は、メーンの射出成形用が28%減と引き続き大幅な減少となった点にある。これには自動車部品用がほとんどを占める工業部品用が40%もの前年割れとなったことが大きく影響している。 一方の輸出が引き続き前年同月を上回ったのは、中国からの受注残がどの樹脂もまだかなり残っていたためと見られる。LDPEは66%増の26,700トンで5ヶ月連続の、HDPEは174%増の24,100トンで4ヵ月連続の、PPは9%増の20,000トンで同じく4ヵ月連続のそれぞれ前年同月超えとなった。もっとも、伸び率はHDPE以外がさすがに縮小している。HDPEが大きく伸びたのは、中国の魚網用の需要が活発であったためと見られる。 これで、汎用5樹脂の4月の出荷実績が全て出揃った。出荷全体では、LDPE、PP、PSの3品目が長期不振から抜け出せないままきているのに対して、HDPEとPVCが輸出の大幅増に支えられて前年を上回っている点が目を引く。 うち国内向けは全ての樹脂が引き続き前年を割り込んでおり、5品目揃っての前年同月割れの継続が7ヵ月連続となった。輸出はPSだけが不振で、8ヶ月連続の前年割れとなっている。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file3_1242893518.pdf |