2009年05月26日
吉林省の陳偉根・副省庁が来日、日系企業に参加呼びかけ
エチレン増設計画など「発展計画」を説明
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 吉林省は25日、東京で「中国吉林経済貿易合作交流会」を開き、陳偉根・同省副省長が
長春—吉林—図モン江の産業、港湾・交通インフラ計画や自動車、石油化学、電子情報、医薬、食品加工、農業、旅行業などの発展計画を説明、日系企業の参加を呼びかけた。

 また、吉林(コン春)-新潟—江原道(韓国)を結ぶ国際航路の開設計画が進み、6月29日から北東アジアフェリージャパンが、新潟—ザルビノ港(ロシア沿海州)—コン春に定期航路を開くこと、今年9月2ー6日に長春市で第4回東北博覧会が開催されることを明らかにした。

 同省の経済技術合作局と発展開発委員会は重点プロジェクトとして自動車、石油・石油化学、農産品加工(大豆、トウモロコシが主力)、光電子・高新技術、医薬、装備製造、冶金建材、紡績、観光・現代サービス業,基礎施設の10業種について提示(100項目)した。中小企業の参加も希望している。

 吉林省は面積18.74万平方キロ、人口2,734万人。長春、吉林,四平,遼源、通化、白山、松原、白城の8市など60個県(市、区)と延辺朝鮮族自治州と長白山保護開発区を管轄。長春、吉林、延吉の3空港があり、高速道路924キロが整備されている。

 省の東部はロシアに接し,東南部は図モン江・鴨緑江を境として北朝鮮と向かい合っている。国境線は総長1,438キロ、西は内モンゴル自治区、北は黒龍江省と接している。省都・長春市は、東北アジア交通網のクロスポイントにある。

 省の経済発展は速い。GDPは08年に対前年比16%増の6,524億元で伸び率は天津に次いで中国第2位。今年第1・4半期のGDP伸び率は9.1%と全国平均を3ポイント上回った。貿易でも4.76%増の21億8,200元となった。

 産業構造は第1次産業14.3%、第2次47.7%、第3次38.0%、対前年比の伸び率は各8.1%、50.1%、41.8%である。食料の全生産量は2,840万トン、牧畜業生産は751億元に達している。トウモロコシの生産量は全国トップ。

 世界の有力企業500社のうち54社が進出、日系は267社に及んでいる。外国メーカの直接投資は前年比12.2%増の9.93億ドル。外国資本全体では30.08億ドル。

 産業の主力である自動車は08年153万3,000台を生産(第一汽車)した。全省の生産額の約30%を占める。石油化学は吉林市に中石油のエチレン年産70万トン設備があり、年末までに100万トンに増設する。現代漢方薬、電子情報、エネルギーなどの産業発展にも重点が置かれている。
問い合わせは日中東北開発協会:TEL03-5511-2552

<注>
(1)図モン江のモンはにんべんに門
(2)コン春のコンは王へんに軍