2009年05月27日
SPDCがPEのアジア向け価格を再値上げへ
6月分を1,140〜1,150ドルでオファー
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:サウディ石油化学

 サウディ石油化学(SPDC)は26日、中国をはじめとしたアジア各国の大手樹脂加工企業やトレーダ各社に対して、同社の親会社である日本・サウジアラビア合弁石油化学企業「シャルク」のL-LDPE(商品名;QAMAR)の6月の販売価格をトン当たり70ドル引き上げる意向を表明した。

 中国ならびに東南アジア諸国向けのCFR価格をナチュラル品種で同1,140ドルに、高透明品種で同1,150ドルにそれぞれ底上げする。ベトナム向けについては、両品種とも他の国向けより同10ドル高とする。
 これが各国の需要家やトレーダに受け入れられると、昨年12月の同800ドルをボトムに6ヶ月連続の値上げが実現することになる。

 アジア地域では同樹脂の需要が引き続き順調に拡大している。対する供給力は、シャルクのジュベール工場の操業の小トラブルやエクソンモービルのシンガポール工場や中国の大手エチレンセンターの定修による運休、さらには三菱化学・鹿島事業所の定修等が影響して大幅に縮小しており、このため需給バランスは極めてタイトな状態にある。

 したがって、同社に続いて韓国や台湾のL-LDPE企業も遠からず再値上げを表明することになりそう。