2009年06月15日
旭化成メディカル、バイオ医薬品向け合成高分子新膜を新発売
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:旭化成、旭化成メディカル

旭化成メディカル(本社:東京都千代田区、吉田安幸社長)は15日、生物学的製剤(注1)製造におけるウイルス除去を目的とした、新たな合成高分子新膜「Planova. BioEX」を開発したため、6月17日から発売すると発表した。

 同社はこれまで、バイオ医薬品(注2) や血漿分画製剤(注3)といった生物学的製剤の製造工程に使用されるセルロース製中空糸型ウイルス除去フィルター「プラノバ」を製造販売してきたが、今回発売する「Planova. BioEX」は、親水化PVDF(ポリフッ化ビニリデン)製中空糸型のウイルス除去フィルターで、これまで困難だった高タンパク質濃度域でのろ過が可能になる。
 
 また、高圧ろ過と組み合わせることで、バイオ医薬品の製造で求められる高タンパク質濃度域での大量・短時間ろ過というニーズにも対応しやすくなった。

■新製品「Planova. BioEX」の特長
(1)高タンパク質濃度域でのウイルス除去ろ過にフィルターとして最適。
(2)高圧でのろ過が可能。
(3)製造ラインに設置したままで高圧蒸気滅菌(SIP)ができる。
(4)パルボウイルス(注4) から大きなウイルスまで、優れたウイルス除去性能がある。
(5)各種の膜面積があり、スケールアップ、スケールダウンが容易。

 なお同社は、7月1日から3日まで東京ビッグサイト西展示棟で開催される「第8 回国際バイオエクスポ」に「Planova. BioEX」を展示紹介する。


<用語解説>
(注1)生物学的製剤 :ヒトおよび動物由来成分、遺伝子等を原料とした医薬品。
(注2)バイオ医薬品 :遺伝子工学、細胞培養などのバイオテクノロジーを利用して生産されるペプチドやタンパク質を有効成分とする医薬品。インターフェロン、成長ホルモン、エリスロポエチン、各種モノクローナル抗体などがある。
(注3)血漿分画製剤 :血漿から精製して得られる治療に有益なタンパク製剤で、感染症の治療に用いるグロブリン、血友病などの治療に用いる血液凝固第〓因子などの血液凝固因子製剤などがある。
(注4)パルボウイルス :直径20nm 程度の球状粒子で、自然界に存在するウイルスの中でも最も小さい部類に入るウイルス。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1245044653.pdf