2009年07月02日
世界最長の「香港ー珠海—マカオ」大橋 39.6キロ着工へ
「港珠澳大橋」 産業経済の発展担う 2015年完成目指す
【カテゴリー】:海外
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 広東省政府、香港特区政府、マカオ特区政府が中心となって建設する「港珠澳大橋」(香港—珠海—マカオ)が年内に着工されることになった。総額726億元、世界最長39.6キロのこの大橋は2015年の完成を目指している。

 同大橋は2011年の完成を目標にしていたが、資金調達に時間がかかっていた。今年4月に中国銀行を幹事行とし広東、香港、マカオが220億元を出資することを決めた。主橋建設費の42%に当たる157億3,000万元のうち、広東と本土が70億元負担し、香港が67億5,000万元、マカオが19億8,000万元などが決った。

 広東省は5月に20億元を投入する予算を組んだ。広東省は85億元(中央政府が債券発行)を地方債券で調達する。同省は85億元のうち45億元を管轄市の重点プロジェクト、残り40億元を港珠澳大橋(20億元)、球海産業パーク(10億元)、湛江鉄鋼計画(10億元)に投入する。

 こうした計画の進行に合わせて地元ではさる5月、海外企業や商務部、広東省、珠海市、マカオ特別行政区に香港、深せんを含めた経済貿易交流会が開かれた。対外的な共同発展を目指し、工業開発区、保税区などのクロスボーダー協力、貨物、資金、税制、外交などのプラットフォームづくりが実行されている。

 とくに珠海市(陸地面積1,653平方キロ、海域面積6,000平方キロ、人口145万人)は従来の広大な産業開発3区(香州区、金湾区、斗門区)や中山大、北京理工大、ハルピン工業大など全国7大の分校を集めた大学城に加えて、航空産業団地、海洋開発(港湾と石油化学)などを展開。マカオに隣接した横琴経済開発区(86平方キロ)の建設も注目されている。

 また、マカオ(面積548平方キロ、戸籍人口100万人)はラスベガスを上回るカジノが売り物。金融、サービス、観光、娯楽産業が急速に発展している。

 この大橋の建設に対して、中国では昨年夏に上海と寧波市(浙江省)を結ぶ浙江湾大橋(36キロ)が完成した。また、山東省が2020年までに青島の膠州湾に全長36キロの大橋を架ける計画をたてている。