日本実験棟「きぼう」船外実験プラットフォーム(右下)　JAXA提供

　新日鐵化学は21日、同社が開発した「シロキサン変性ポリイミドシート BSF-30」が、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙材料曝露実験試料に採用され、16日に打ち上げられたスペースシャトル「エンデバー」で、ISS国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟へ送られたと発表した。

　今回の実験は、人工衛星で使用される材料の開発・評価を目的に実施するもので、宇宙ステーションが周回している、高度400km域に存在する、酸素分子が分解した原子状酸素への耐性を、実際の宇宙空間で検証するというもの。

　人工衛星の本体などを包む耐熱シートは、一般にポリイミド樹脂のフィルムが使用されているが、原子状酸素がポリイミドフィルムに衝突すると、シートの表面が侵食され、その耐久性が課題とされていた。同社の開発した材料は、原子状酸素と衝突すると、フィルムの表面にシリカ(SiO2)の皮膜が形成され、浸食を防ぐことができる。

　形成された皮膜が剥離した場合、再度新たな皮膜が形成される自己修復機能も備えており、原子状酸素への優れた耐性が高く評価され、JEM/MPAC&SEED実験搭載試料として採用されたもの。

　実験では、直径25ミリ、厚さ25ミクロンのサンプルシートを、「きぼう」の船外実験プラットフォームで約8ヵ月間宇宙空間に曝露、来年3月に打ち上げ予定の、スペースシャトルで回収し、日本で詳細に分析する計画。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1248146733.pdf

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