2001年04月20日
エクソンモービル、シンガポールの樹脂設備の試転運順調
PE、PPとも本格生産開始は5月末の公算
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:エクソンモービル

 大手商社やポリオレフィンメーカー筋によると、エクソンモービルがシンガポールに新設したポリオレフィンプラントの試運転は極めて順調であり、5月末にも本格稼働を開始する公算が濃厚となってきた。
 同社は昨年末、シンガポールのケミカルアイランドに年産80万トンのエチレンプラントを中核とする大型石油化学コンプレックスを完成したものの、大型コンプレッサーの火災事故によって全体の操業入りが大幅な遅れをきたしている。いまのところ、エチレンプラントの稼働開始時期は、早ければ5月末、遅くとも6月初旬になるのではないかと見る向きが関係筋には多い。
 同社がそれに先駆けてポリオレフィンプラントの試運転に入っているのは、エチレンプラントの操業が始まるとそれに合わせて直ちにポリオレフィンの本格生産を開始したいと考えたことによるものと見られる。必要オレフィンは海外からスポットで調達している模様。同社がシンガポールに建設したポリオレフィンプラントは、年産48万トン能力のL-LDPE装置と同28万トンのPP設備。PPについてはホモポリマーを試験生産中で、ブロックコポリマーの試作は今月末からとなりそう。
 同社がこれらのプラントの試運転に入った当初は、アジア地域の市場関係者の多くが、本格稼働が始まったと判断、このため同地域のポリオレフィン全体の相場が一斉に下降した。現在もなお低水準に張り付いており、本稼働入りするとさらに軟化に加速がつくとの見方が多い。