2009年08月10日
三菱ケミカルHD、三菱レイヨンを買収 3兆円企業へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱レイヨン、三菱ケミカルホールディングス

 三菱ケミカルホールディングスが国内繊維大手の三菱レイヨンの買収を検討していることが10日明らかとなった。一部報道によると、株式公開買付け(TOB)により完全子会社化する方法が有力で、実現すれば売上高は3兆円規模と世界でも屈指の化学会社が誕生する。
 
 わが国化学業界は、国内需要の頭打ちが予想されるなか、中東産油国や中国など新興国の台頭で今後国際競争はさらに激化し、国内市場にも汎用製品を中心に安値輸入品が大量に出回るとの見方が一般的だ。
 
 三菱ケミカルは、これまでも戦略的に成長分野をターゲットとして高機能化・高付加価値化へのシフトを急いできたが、三菱レイヨンの買収によって、さらにアクリル樹脂や炭素繊維などの高機能素材を取り込み、事業基盤と国際競争力の強化を図ることにした。
 
 三菱ケミカルHDの09年3月期売上高は2兆9,090億円、三菱レイヨンは3,450億円で、合わせると約3兆2,500億円となる。国内では化学業界第2位の住友化学(1兆7,882億円)を大きく引き離し、世界でも米国デュポンを上回る屈指の規模になるという。