2009年08月14日
シノペック儀征化纖、PBT増設着工
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:SINOPEC

(上海発=特約)

 シノペック儀征化纖(Yizheng Chemical & Fibers )は8月6日、江蘇省儀征市でPBT増設の起工式を行った。

 同社は現在年産20千トンのPBT設備を持っているが、第二プラントは能力が60千トンで、2010年第2四半期に生産開始の予定。

 第一プラントはLurgi Zimmer の技術を採用したが、今回は日立プラントテクノロジーの技術を使用する。
両社は8月3日にライセンス契約を結んだ。日立はPTAと1,4-ブタンジオールの直接エステル化を含む新しい製造プロセスを開発している。

 シノペック儀征化纖はポリエステルチップ、ポリエステル繊維、及び原料のPTAの製造販売会社で、2008年末現在の製造能力は以下の通り。
 
 重合設備  1,722千トン
 固相重合設備 420千トン
 紡糸延伸設備 754千トン
 ポリエステルフィラメント加工設備 85千トン
 PTA  959千トン 

 中国の現在のPBTの能力は以下の通り。

 Bluestar New Materials (江蘇省南通市) 80千トン(2008年に60千トン増設後)
 Sinopec Yizheng (江蘇省儀征市)     20千トン
 Jiangsu Sanfangxiang (江蘇省江陰市)  10千トン

 なお、中国のPBTの輸入数量は以下の通り。

  2007  155千トン
  2008  147.3千トン


 日立プラントテクノロジーはPET、PC、PBTなどの製造プロセス、プラントを開発し、多数納入している。
笠戸生産統括本部(山口県下松市)内のパイロットプラントを活用して開発しているもので、PETプラントでは世界最大級(年産20万トン)を含め、これまで100系列以上を国内外に納入、PBTプラントも世界最大級(年産6万トン)のものを、国内、東南アジアに納入している。

 同社は本年3月に河南省の医療衛生用品メーカーにポリ乳酸製造のライセンスを供与、主要機器を受注している。稼動時の能力は1万トンだが、将来的には15万トンまで拡充される予定。PET製造技術等をベースに2004年に開発した。