2009年08月17日
漢方薬と国際医療情報「効く証」が焦点 健康医療開発機構が第3回フォーラム
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:なし

 東アジア伝統医学の診療コードがない。漢方だけで用語の定義をきめても国際的に認められない。国際的な標準用語、診療コードの必要性がある、ということで伝統医学のグローバル化を目指す21世紀漢方フォーラムがこのほどNPO健康医療開発機構の主催により東京で開かれた。

 東アジアの伝統医学はもはやわが国だけのものではなく、世界からも注目され中国や韓国はこの分野の医学の海外進出に力を入れている。だがわが国はまだ漢方医学の情報が十分に海外発信されていないというのが関係者たちの見方だ。

 伝統医学の国際疾病分類(ICD)は今年5月の香港でのWHOの会議で、第1回ワーキンググループミーテングが行われた。(WHOにはICDを扱う諮問機関としてWHO-FICがある)すでに07年には「関連分野」としての扱いが決まっていた。

 経過的には05年からWHOの西太平洋地域事務局で、日中韓を中心に医療情報の将来のあるべき姿について議論され、IDCに準拠した伝統医学の医療情報のベースを作るプロジェクトとなっていたものである。

 健康医療開発機構(慶応大学医学部漢方医学センター、日中産学官交流機構、医療志民の会と共催)は、これまでに「生薬資源を考える」(第1回)、「総合医の漢方教育を考える」(第2回)のテーマで21世紀漢方フォーラムを開いた。

 第3回では滝村佳代・厚労省大臣官房統計情報部ICD室長が「WHO ICD改定作業」、渡辺賢治・慶大医学部漢方医薬センター長が「WHO ICD11改定作業の中での伝統医薬」、小倉悟・経産省産業技術環境局生活標準化推進室課長補佐が「ISOの仕組みと国際戦略」、井本昌克・厚労省医政局研究開発課課長補佐が「漢方医学の最近の国際動向について」のテーマで基調講演、寺沢捷年・日本東洋医学サミット会議議長が特別に発言した。

 席上、問題視されたのは漢方の「証」。証は病にたいする生体の反応を見て判断するものであり、西洋医学であれば診断に相当する。この証をもとに漢方治療を決定するのであれば西洋医学的病理観とはかけ離れる。

 中国と韓国では伝統医学の医師ライセンスと西洋医学の医師ライセンスが異なるため、どうしても伝統医学的病名が必要となるが日本の場合、漢方を用いる医師もすべて西洋医学のトレーニングを受けているため、混乱を招く伝統医学病名は使わない。ICD11改定作業で漢方が入れば、より精緻な漢方的統計情報が得られる。

 ところが中国は08年からISO(国際標準化機構)のTC215(保健医療情報)に、中国国内の医療情報を国際標準にするよう働き掛けを始めた。何の前触れもない提案だった。さらにISOに新しい専門委員会をつくるという提案も出した。中国は国家戦略として「中医薬」の現代化と国際化を行おうとしているのである。日本では漢方は補完・代替医療ではない。韓医薬とともに中医薬の国際戦略を見逃してはならない。

 健康医療開発機構(理事長・武藤徹一郎癌研有明病院メデカルディレクター名誉院長)事務局は以下のとおり。
 TEL:03-5795-0096、FAX:03-5795-0098
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