2001年04月17日
フェノールメーカーとユーザーが価格のせめぎ合い
双方ともに譲歩できる余裕なしと主張
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:住友ベークライト、三井化学、三菱化学

 三井化学や三菱化学などフェノールメーカーと、住友ベークライトや日立化成などの需要家各社との間でフェノールの取り引き価格を巡ってのせめぎ合いが激しくなってきた。
 これは、フェノール樹脂メーカーを中心としたユーザーの多くが、先に受け入れた第三次価格修正分のうちのかなりの部分を返して欲しいと要求してきたことによるもの。
 第三次修正によって引き上げられた額は、フェノールメーカーによって、また取り引き数量の多寡によって大きく異なるが、1キログラム当たり15円のケースが多かったと言われる。ユーザーの中にはその半分を返すよう求めるところもあるようだ。背景の一つは、1~3月期のナフサ価格がフェノール業界の当初の予想を下回るところに落ち着く見通しとなってきたことにあり、そしてもうひとつは、フェノール樹脂など誘導品の価格修正が思うように進んでいないため需要家各社の台所事情が予想以上に厳しくなってきたことにあると説明している。
 しかし一方のフェノールメーカー側は、こうした要求はとても受け入れられないとして強く押し返している。各社とも、この1年間のナフサの高騰分を十分に製品価格に転嫁できないままきているため依然として採算割れが続いていると主張、ユーザー側の要求は到底受け入れられないとしている。
 双方がともに歩み寄れる余裕がないとしているわけで、このため打開の道が開かれるまでにはかなりの時間がかかると見られる。