2009年09月30日
ポリプラ、世界初“グローワイヤー対応”の難燃PBT材料開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:ポリプラスチックス

 わが国大手エンプラ・メーカーのポリプラスチックス(本社:東京都港区、後藤昇社長)は29日、PBT樹脂としては世界で初めて、電気部品に適用されるIEC規格(注1)に対応した“グローワイヤー”特性(注2)をもつ難燃PBT材料「DURANEX 330GW」を開発したと発表した。
 
 今後、ユーザーは部品の肉厚や形状に関係なく、グローワイヤー着火試験(GWT)が免除となる。本格販売は来年はじめからの予定だが「費用と開発時間の点で効率が上がるはずです」と同社ではいっている。
 
 電子部品の耐火性規格には、従来のUL規格のほか、国際電気標準会議(IEC)が定めるIEC規格があり各国間で採用している。このIEC規格は世界的な安全要求の高まりから、2001年に大幅改定され、「事実上発火しない材料」を求める厳しい内容となっている。
 
 PBT(ポリブチレンテレフタレート)でこの規格に適合するのは、従来の難燃剤技術の延長では不可能といわれていた。
 
 ポリプラスチックスは今回、特殊な難燃剤をコンパウンドすることで、グローワイヤー試験(GWIT)775℃以上をクリアーするPBT材料を開発した。試験片の推奨厚みは0.75ミリ、1.5ミリ、3.0ミリの3種類だが、全ての厚みで合格した。
 
 グローワイヤー特性に優れた材料の需要は今後も拡大が予想されるため、同社では内外のニーズに的確に対応し、電気・電子部品の安全対策に貢献していく方針だとしている。
 
<用語の解説>

■IEC規格 :
国際電気標準会議(IEC)が定める安全性規格。「新たな規格」とは、白物家電の安全性規格(第4版)のことで、白物家電において使用者が立ち会わない状況で動作する機器の部品で、通常の操作で0.2Aを超える電流が流れる接続部を支持している絶縁材料部品および接続部から3ミリ以内の距離にある絶縁材料部品に対してグローワイヤー特性が要求される。

■グローワイヤー試験 :
GWITの試験方法は、IEC 60695-2-13の規格に規定されている。30秒間のグローワイヤー(赤熱棒)との接触で着火しない最高温度に25℃を加えた値で示す。試験片の推奨厚みは0.75、1.5、3.0ミリの3種類で、合格した厚みに応じて最終製品に適用される肉厚に制限がある、3つの厚みの合格すれば部品の肉厚に制限がなくなり、部品の形状と無関係にグローワイヤー着火試験(GWT)が免除となる。