2001年04月12日
アジアのエチレン相場がさらに下降
需要家の間に供給過剰感が広がる
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:エクソンモービル

 アジア地域におけるエチレンのスポット相場がここにきてさらに下降してきている。特に極東は、台湾の買い注文の減少が響いて下降幅が大きい。
 直近のアジア地域におけるエチレンのスポット相場は、極東がCRFトン当たり(以下同)490ドル平均、東南アジア地域が520~530ドルどころにある。今年2月に入ってからは両地域ともに上昇に転じ、同月後半には560~570ドルまで上がったが、その後は下降線をたどり、4月に入ってさらに加速がついている感じだ。
 こうした現象の主因は、ポリオレフィンメーカーを始めとしたアジア地域全体の主要ユーザーが、オレフィンならびに主要誘導品の先行きの需給バランスに対して一段と警戒感を強めてきたことにあると見られる。一つは、台湾や中東の大型エチレンプラントに続いてシンガポールのエクソンモービルの大型石油化学コンビナートがいよいよ近く稼動を開始するとの見方が広まってきたこと、そしてもう一つは、米国の景気後退によってアジア各国の石油化学製品の対米輸出の縮小が不可避となりつつあること--がその要因といえる。
 並産のプロピレンも、一時の460ドルがらみが最近は380~390ドルに下がっている。シンガポールの新石化プラントの稼動次第でさらに軟化する可能性が高い。