2009年11月24日
大阪市が「リチウムイオン電池」「液晶パネル」産業で急発展へ
大坂港を再構築し“アジアのハブ”を目指す
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:なし

 大阪市は大阪駅北地区など都市再生緊急整備地域への大型企業誘致や大阪湾での先端工場と物流施設建設などで急発展を目指している。とくに新型電池、薄型TVパネルなど新エネルギー産業の集積をはかる一方、外資企業、在京企業の誘致に重点を置く方針だ。

 08年に米フォーチューン誌が選んだ世界企業番付500社のなかで日本は64社。関西圏は8社、うち大阪市は6社。住友電工、シャープ、関西電力、伊藤忠商事、日本生命、住友生命が大阪市、関西圏ではパナソニックと三洋電機が加わる。

 日本は今年中にはGDPを中国に抜かれる見通しだが、08年は4兆3,770億ドルと米国に次いで世界の2番目だった。関西(人口2,088万人)は7,010億ドル、大阪市は1,860億ドルといったところ。この市が奮起して大経済圏を目指そうというのである。

 大阪湾ベイエリアはかって工場等制限法と工場再配置促進法によって工場の進出が制限されていた。しかし制限法が02年に、工場再配置促進法によって指定されていた移転促進地域が04年に撤廃された。そこで大規模な“産業おこし”がはじまった。

 まずプラズマデスプレイパネル(PDP)、リチュウムイオン2次電池、太陽電池などの工場が同エリアに進出した。大阪港内の木津川添え、住之江区で旭硝子が07年5月からPDP用の大型ガラス基板の生産を始めた。投資額320億円、年150億円を生産。

 同社は兵庫県高砂工場でも同基板の増設(投資額300億円)を行っている。シャープは堺市で約3,800億円を投入、TV用液晶パネル工場を来年3月までに建設する。

 また、コ—ニング社が液晶用大型ガラス基板(投資額875億円)、凸版印刷が液晶用カラーフィルター(420億円)、大日本印刷が同フィルター(435億円)をそれぞれ年内から来年にかけて完成させる。

 尼崎市ではパナソニックがPDPの工場(投資額2,100億円)を10年1月までに完成させる。同社子会社のIPSアルファテクノロジが液晶デスプレイパネルの工場(2,350億円)を建設、10年7月に操業する予定。

 姫路市では大日本印刷が液晶用カラーフィルター10年1月までに300億円かけて建設する。世界的に薄型TVの投資意欲が減退している中で、これらのエリアでは新技術の開発を含めて活発な動きを見せている。

 大阪湾ベイエリアでは電池産業の集積も進んでいる。とくに2次電池産業は世界でも類を見ない。また太陽電池や燃料電池も近畿地区の企業のマーッケットシエアの70%を占めている。

 パナソニックは住之江区に1,00億円をかけリチュウムイオン2次電池工場を10年4月に完成させる。堺市ではシャープが720億円で太陽電池は施設を10年3月に完成する。同社はすでに08年10月に奈良県葛城市も220億円で工場を建設している。

 大阪府貝塚市には三洋電機が今年春にリチュウムイオン2次電池(340億円)工場を操業したあと、太陽電池工場(100億円)を09年度内完成目標に建設している。08年にはパナソニックと三洋電機のリチュム2次電池が紀の川氏と淡路島で完成している。

 ほかに近畿圏では大津市の三洋電機、野洲市の京セラが太陽電池を、草津市のリチュムエナジージャパンがリチュムイオン2次電池の生産を予定している。

 世界のリチュム電池生産は日本が過半数を占めているといわれる。その80%が関西に集積している。太陽電池は日本が20%を占め、その70%が関西で生産されているとみられている。

 大坂港では造成地の夢洲と咲洲が海底トンネルでつながり、夢洲のコンテナターミナルが3バース体制となるなど物流機能が拡充してきた。陸、海、空の物流拠点として絶好のロケーションが展開される同エリアに期待が高まっている。