2001年04月09日
呉羽化学と三共、抗HIV剤の共同研究開発契約を締結
CXCR4ブロッカー、経口投与が可能
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:クレハ、三共

 呉羽化学工業と三共は9日、呉羽化学が開発中の抗HIV剤CXCR4ブロッカーについて、商品化するため共同で研究開発を行うことを両社で合意、契約を締結した、と発表した。
 CXCR4ブロッカーは、免疫細胞の表面にある特異的な受容体(CXCR4)に薬剤が結合し、HIVウイルスが細胞に結合するのをブロックする。
 呉羽化学では、長年蓄積した免疫を主体とした評価技術に基づき、新しいサイトカインを介したケモカイン桔抗剤の研究に取り組み、同桔抗剤の抗HIV剤としての可能性を見出し、さらにコンピューターケミストリーを駆使して開発を進めた結果、経口投与可能な本薬剤に到達した。
 三共は本薬剤をCXCR4ブロッカーという新しい作用機序に基づく抗HIV材としての評価を行い、今後臨床試験を進めるための前臨床研究を両社で進めることにした。
 本薬剤は高い抗HIV活性を持つこと、経口投与可能であることが実験で認められており、新規薬剤としての期待が大きくなっている。