2010年01月14日
シャープ、宇部興産にリサイクルPP材再利用で特許実施権許諾
【カテゴリー】:経営(環境/安全)
【関連企業・団体】:宇部興産、シャープ

 シャープと宇部興産の両社は14日、シャープが所有するリサイクルポリプロピレン材の再利用に必要な「物性回復のために高結晶性ポリプロピレンを添加する特許」の実施許諾を宇部興産が受ける契約を締結したと発表した。

 使用済みとなったリサイクルPP材は、物性の低下などから、そのままでは再利用できないが、シャープは、新品の高結晶性PPを添加することでカバーする技術を見つけ、2005年に特許を取得した。

 宇部興産はすでにシャープなどの家電・自動車メーカーとは、独自の技術でPP材の再利用を行っているが、今回の特許は、特に自動車の内装部品(コンソールボックス、ドアパネル、インストルメントパネル、ピラーガーニッシュなど)の高温にさらされる分野で、剛性や耐熱性向上などに有効だとしている。

 一方、シャープは、家電製品から回収したプラスチックを繰り返し新しい家電製品に再利用する「自己循環型マテリアルリサイクル技術」を関西リサイクルシステムズ(注)と共同で開発し2001年から実用化している。
 
 宇部興産とは07年から廃家電のリサイクルPP 材を冷蔵庫や洗濯機の外装部材に再利用する取り組みを共同で行い、リサイクル樹脂の家電製品への使用量拡大を進めてきた。
 
 地球環境問題とともに、リサイクル樹脂の需要は今後さらに増加すると予想され、宇部興産は昨年11月、堺工場(大阪府)のリサイクル樹脂生産能力を年産22,700トンへと、約3倍の大幅増強を行った。
 
 シャープも、2009年度の新製品への再生プラスチック投入量として1,200トンを目標にかかげ取り組み中だ。両社は、リサイクル樹脂の再利用を通じて循環型社会の構築に貢献していきたいとしている。

<用語の解説>
■関西リサイクルシステムズとは:
 関西リサイクルシステムズ株式会社(本社:大阪府枚方市、中山和博社長)。シャープ、三菱マテリアルなど家電メーカー7社の共同出資による家電リサイクル会社で1999年の設立。資本金3億円。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1263436078.pdf