| 2010年01月22日 |
| 【セミナー・朱教授の講演から】中国の景気回復と日本への影響 (下) |
| 【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:なし |
■景気刺激策は今年も継続 高成長維持へ 中国政府は「高成長維持」の方針で、安定成長が達成されるまで刺激策を続けることにしているが、不動産と株式の過剰投資の抑制のほか、静かなる政策転換を行っている。1月18日に融資の新規増加分、流動性の回収、融資審査の強化などを開始した。実際の政策調整を行う。 金融政策では着工した投資案件は継続するが、新規増加分を減らす。自動車と家電販売への補助金の措置を来年末まで延長する。不動産価格の急騰を抑制するため住宅購入・売却の減税幅を縮小、デベロッパーの開発用地取得に厳しい条件をつけ、2軒目購入住宅購入で頭金比率を引き上げる(40%)など。 不動産市場は09年2月から回復、6月から07年の最高期を上回った。開発用地の落札最高価格を更新した。中央企業と製造業資金が新たに参入したことが原因とされている。製造業の成長は09年1月に対前年比3.9%まで下落したが、3月から回復、11月には19.2%(1—11月10.3%)と伸びた。 不動産以外ではとくに自動車販売は小型車が急増、2月から100万台を超え、現在140万台になっている。家電製品の地方販売も伸びている。とくに冷蔵庫、エアコン、カラーTVのシェアが各56.9%、14.4%、13.6%を占めた。また、個人消費が15—20%増えた。沿海よりも中部、西部の地方が伸びた。 政府は消費拡大の刺激策として家電、自動車の地方への市場拡大(内需振興)を図ったわけだが、家電では製品販売で13%の補助金を付けた。都市部での買い替えにも補助金を付けている。自動車では小型車(1,600cc以下)では購入税を半額(10%を5%に)に、農村での自動車販売に10%の補助金、自動車の買い替えに補助金を付けた。この結果GDPの伸び率が第1・4半期の前年比6.1%増に対し、第4四半期では同10.7%増となった。 ■自動車、石油化学など10大産業に「振興計画」 産業振興の支援策としては従来の輸出抑制の措置をすべて撤廃、輸出税還付の比率を引き上げた。元の対ドルレートの安定化を図り輸出信用保険を増枠、地方の輸出に補助金を付けた。元決済も奨励している。 また、09年1月に鉄鋼、自動車、プラント、繊維、造船、電子・情報、軽工業、石油化学、非鉄金属、物流の10大産業(このうち鉄鋼は12月に新規投資を禁止)の振興計画も打ち出した。減税、資金支援のほか統廃合の支援を行うとしている。 このほかクリーン・エネルギーと呼ばれる新型エネルギー産業、液晶パネルなどのハイテク産業にも重点を置く。 政府の直接投資分野は鉄道、道路、港湾などのインフラ設備が中心。とくに高速鉄道は2012年までに総延長1.3万キロの鉄道、地下鉄、都市間道路や高速道路。原子力発電所(2020年までに30基建設)、送電網、石油・ガスのパイプラインなどが予定されている。 ■日本企業にビジネスチャンス 「素材」や「部品」など 朱教授は日本企業のビジネスチャンスとして、高速鉄道、地下鉄、原子力発電所。家電、自動車の内需拡大での市場拡大、小売業の進出、素材(石油化学、金属)、自動車部品、電子部品の輸出拡大などでチャンスがあるとみる。 2012年までに建設する高速鉄道車両にはおよそ1,000車両が必要。日本の新幹線車両と独シーメンスに受注のチャンスがある。すでに川鉄グループが昨年10月、450億元(約6,000億円)の部品供給契約を結んでいる。 原発では三菱重工業が昨年9月、2基の制御システムを受注している。09年に着工した米WH社(東芝傘下)は4期の原子炉の建設を請負っている。 (終り) |