2010年02月02日
中国が8.5世代の大型液晶TVパネルに新時代 日本の2社技術供与
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:シャープ

中国が約約5年前から望んでいた8.5世代の液晶テレビ用パネルの国産化が日本2社の協力で実現することになった。昨年秋のシャープの合弁計画に続いて、二コンが中国企業と設備輸出契約を結んだためで、今後、一気に他社の計画も加速するものとみられる。

中国は急速な発展を見せる液晶TVについて、第7.5世代、第8世代と次世代パネルの早期国産化に取り組んでいたが、8.5世代では先行する台湾、韓国とともに日本が技術供与を拒んでいたため、次のパネル大型化計画が遅れていた。

09年の中国の液晶TVは2,760万台(前年比約2倍)を出荷、2年後には4,000万台を上回ると予想されている。中国政府の内需拡大を目指す電気製品への支援政策もあり、大型液使用TVの急速な伸長が見込まれる。

二コンはこのほど中国のパネルメーカーである北京BOAディスプレイテクノロジーと8.5世代液晶パネル製造装置(液晶露光装置)16台の輸出契約を結んだ。BOAは2010年末から北京市で生産(月9万枚)を開始する予定。

シャープは昨年8月末、中国電子信息産業集団(CEC)と液晶TV用パネルを合弁で生産する契約(具体計画は交渉中)を結んだ。11年3月から南京で生産を始める。シャープはほかに第6世代のパネル生産でCECに亀山工場(三重県)の設備を、売却する。

この両社のほか中国では韓国サムスン電子が蘇州(江蘇省)で7・5世代、LGディスプレイが広州(広東省)で8世代、中国のIVOが昆山(江蘇省)で8世代、TCLが深せん(広東省)で8.5世代のディスプレイを011年から12年にかけて生産を始める予定である。