2010年02月09日
三菱化学とパイオニア 有機EL照明事業化で業務・資本提携
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:パイオニア、三菱化学

三菱化学とパイオニア(本社:神奈川県川崎市、小谷進社長)の両社は9日、三菱化学が有機EL照明を事業化するにあたり両社で業務提携及び資本提携していくことで合意したと発表した。

三菱化学は2011年中をめどに有機EL照明の量産・販売を開始する。売上目標として2015年度300億円、2020年度には1,000億円を目指す。

事業化にあたってはパイオニアから照明用有機ELパネルの供給を受ける。両社は塗布型有機EL照明について、共同研究開発や事業化を検討していく。

また、パイオニアはパートナーシップを強固なものとするため三菱化学を割当先とする第三者割当による約6億円の新株式発行を実施する。

両社は現在、塗布型下地材及び発光層用の照明用有機ELパネルの研究開発を共同で行っているが、三菱化学はこの新規塗布型発光材料の早期量産化・上市とともに、塗布型有機EL照明の事業化を検討していく方針である。

■有機EL照明とは:目と環境にやさしい“薄くて軽い面照明”
有機EL照明は、電球や蛍光灯の点や線と異なり、面全体が発光する目にやさしい照明で、光の強さや色を自由にコントロールでき、シースルー化、フレキシブル化(発光面を平面・曲面、自由に造形できる)が可能となる。また、水銀を使用せず、少ないエネルギーで効率的に発光するため、環境にもやさしい次世代の照明として期待されている。

■発光面サイズ“世界最大級”の照明用有機ELパネルを量産
有機ELパネルは現在、一般的に蒸着プロセスによって製造されており、欠陥のない大きな均一な面を作ることが技術的に困難だったが、三菱化学独自の塗布型下地材を用いることで、発光面としては世界最大級の約14センチ角のパネルを、パイオニアの商用ラインで量産することが可能になる。
三菱化学は、パイオニアから照明用有機ELパネルの供給を受け、有機ELの特長を活かした照明器具を「Verbatim」の世界販売網を通じて2011年から販売する。

■一層の“製造コスト低減”を目指す
両社は現在、下地材だけでなく、発光層用の新規塗布型材料を用いた照明用有機ELパネルの研究も共同で進めている。低コストな塗布プロセスで製造できる材料で、ラボレベルではすでに照明寿命(明るさが当初の70%まで低下するのにかかる時間)1万時間という基本特性を達成している。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1265721727.pdf